第七話 ゴミ屋敷とは?
あなたはその目で本当のゴミ屋敷を見たことがあるだろうか。ブラウン管を通さずその目で。
「今度の家はゴミ屋敷だから。」
上司からその情報が来た時、足の踏み場もない家を想像していた。
そして訪問。扉を開けると……
先が見えない。
まず、足の踏み場もないという時、それは平面で言われるだろう。
ここは違う。空間がない。
立方体で考えるとわかりやすい。立方体のすき間が少ないのだ。
床から天井までゴミが積まれている。
寝床であろう場所だけ、人ひとりが入れる大きさの空間がぽっかり空いている。
ここには、父、母、息子二人が暮らしていた。
どんな部屋があるか見て回る。
畳が……床にない。人が住んでいる場所では見たことがなかったが、畳が壁に立て掛けられているとは。
一体なんのために?
他の部屋にも行ってみる。
屋根が落ちてる。屋根に手が届く。本来これは家屋のてっぺんにあるものでは……?
ここでは自分の常識が通じないのだと肝に銘じる。
とりあえず興味もあり尋ねてみることにした。何故こうなっているのかの手がかりが欲しいところ。
父親
「俺はゴミを袋に入れて持っていくのが楽しみなんだ。だから今たくさん集めているところ。」
なるほど、ゴミという認識はあるのか。
こんなにあるんだからさっさと捨てに行けばいいのに。数回行ったところでなくなるような物ではない。
では次。
母親。
「ゴミ??とんでもない!!全部いるものなの!
絶対触らないでよ!どこに行ったかわからなくなるから!」
これは一番厄介なタイプ。ゴミをゴミと思ってないのだから。これは捨てる気すらないのだろう。
私が触らなくてもどこに何があるかわからないだろうに。
子供二人は不在で聞くことが出来なかった。
ゴミ屋敷をいくつか見たことがあるが、不思議?なことに綺麗な格好をされている。着替えがちゃんと行われているということだろう。
洗濯もしてお風呂も入り、学校へも通う。
ゴミ屋敷というのは他人の見た主観であり、そこに住む人々はゴミ屋敷とは思っていないのかもしれない。
自分の感性がわからなくなる。
まさか、私の家も他者から見ればゴミ屋敷では……?




