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家買おう!

家を買うと言ってもどこで相談すればいいんだろ。とりあえずイオナさんに聞いてみようかな。


「そうですねぇ、エルさんの希望に沿う家はまぁこの3つくらいでしょうか…」

一階を店舗として使えること、一階にもキッチンがあること、最低でも2部屋あることなどなどの条件に当てはまったのは3つの家だった。

下見に行った感じ、一軒目は普通の家みたいな感じでよかった。ただキッチンがちょっと狭いかな。二軒目はキッチンはいい広さだったんだけど店舗になるところと分かれてなくて。三軒目はキッチンも広いし分かれてるし、部屋もたくさんあっていい感じ。一階の道に面した壁が一部ガラス張りのショーケースみたいになってて、そこもよかった。

 どれにしたかって?そりゃもちろん三軒目!

 一旦冒険者協会に戻って支払いをした。それなりに高かったけど、元宮廷魔導士長の給料たちからすれば微々たるもの。あまりにもあっさり出したのでイオナさんが驚いてた。

「あ、エルさん、商売をするなら商業ギルドで商人登録しないとですよ?登録なしに商いはできませんから」

そうだった。行かなきゃ。

「手続きが終わったら行きますね」

「はいっ」


家を買う手続きを済ませて、僕は一旦宿に戻った。そしてジルを連れて新しい家に。

「わぁっ!広い!何もないね!!」

「今から置くんだよー」

端っこに寄っててね、とジルに言う。

…家具のイメージをそのまま具現化。

「《クリエイトオブジェクト》」

机やらカウンターやら椅子やらがポンポン出てくる。どれも木目調で温かみがある。

 次にそれらを浮かせて置きたいところに置く。

「よし、いい感じ」

キッチンには大きな机があったので有効活用させてもらう。薬とか置く場所がいるしね。

 2階もベッドやらなんやらを置いて…。

「こんなもんかな?」

「すごい!あっという間に住めるようになったね!」

「僕にかかればこんなもんよ」

ぱちぱちとジルが拍手をしてくれた。

「じゃあジル、商業ギルドに行こう」

「はぁい」

そうして向かった商業ギルド。冒険者登録と違ってそんなに時間はかからなくて手続きはすぐ済んだ。

これで僕も晴れて商売をすることができる。

「さ、ジル、薬草取り行こう。薬の材料!」

「うんっ」

商品を作るべく2人で森に駆け出した。


どさ。

一階のキッチンの大きな机には薬草がたくさん。

「これどうするのー?」

「薬にするんだよ。熱冷ましとか、胃薬とか」

「ふぅん。僕も手伝う!」

「いいよぉ」


「…まずは熱冷ましから作ろうか…」

大きめの底が深めの鍋に切り刻んだ薬草をいれる。(ジルに切ってもらった)そこに水を入れて煮込む。10分くらいかな。煮立ってきたら魔力を注ぎ込む。だんだんと色が変わってくる。あかーくなったら………できた。あとは濾過して瓶に詰めるだけだ。

 ラベルも作った。ジルと一緒にぺたぺたぺた。瓶に貼っていく。これで熱冷ましは完成だ。

 「次はポーションね…」

最初はポーション作るのやめとこうって言ってたんだけど、他の薬があるのにポーションだけないのっておかしいって思ったから、作ることにした。薄めて効能が普通になるようにしたらいいかなと思って。

 ポーションもまぁ色々種類があって。魔力、体力、傷を回復させるポーションがある。あと毒消しとかね。僕が作るやつはどれも高性能っていうか…エクストラポーションになっちゃうから…市場には出せない。

 そんなことを考えながら作業していたら、あっという間に出来上がり。濃ゆい青のポーション。これは傷治すやつね。これは薄めるからとりあえず少し作った。水で薄めて水色になったポーション。瓶に詰め詰め、ラベルをぺたーっ。2人だから作業も早い。途中でジルが音を上げたのでそこで休憩。お茶とお菓子を食べた。

「あ、明日オープンって張り紙出さなきゃね」

張り紙を書いて店の前に貼っていると、

「おやお嬢ちゃん、店を出すことにしたのかい?」

「…!おじさん!」

リーンズ商会の会長ことおじさん。散歩かな?

「聞いたよ、Aランク冒険者になったんだってね」

「はいっ、家が欲しくて!」

そう言うとおじさんは苦笑い。

「普通は家を買うためだけにAランク冒険者になるもんじゃないんだよ。それに店が欲しかったなら最初から商業ギルドで登録して店舗として家を買えばよかったんだ」

……なんと。そんな手が…。え…僕が今までしてきたことは…?

ちょっと打ちひしがれていると。

「ま、まぁ結果としてはいい方向に進んだんだ、過去のことはいいじゃないか」

そ、そうだよね。いいよね、過去のことは!

「ところで、ここはなんの店にするつもりなんだい?」

「薬屋です」

「ほう、薬屋!お嬢ちゃんは薬剤にも精通していたのか!」

「まぁ、いつも作ってましたから」

毎日毎日嫌と言うほどね…。あのクソやろ、押し付けやがって…。

 あ、なんか王太子の顔思い出したらイラついてきた…。

拳を握って怒りに耐えていると、おじさんが、

「大丈夫かい?どこか体調が…」

心配されてしまった。反省反省。

「大丈夫ですよ!おじさん、明日、薬買いに来てみてください!そしてお眼鏡にかなったら、ぜひ取引しましょう!」

「あぁ、必ず行こう」

そう言っておじさんとは別れた。





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