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夜会とお茶会

本日、もう1話投稿しております。まだの方は1話戻ってお読みください。m(_ _)m

 ふわり。ドレスの裾が揺れた。

僕は今ドレスを着て夜会会場にいる。薄い青いドレスだ。髪飾りも青い宝石がついてる。

(スカートってスカスカするから苦手なんだよね)

今日はハルも来ている。きっちり礼服に身を包んでキリッとしてるから、お嬢様方の視線を集めている。エスコートされてるのが僕だから、羨ましげな視線もたくさん。師匠としてなんだか誇らしい限りだ。

「…噂の王女殿下はまだいらっしゃってないですね」

横でハルが呟く。

「そうだね。でもそろそろ…ほら」

淡いピンク色の可愛らしいドレスを着たシンシア王女が入場してきた。ルクスにエスコートされてご満悦の様子。めっちゃニコニコしてる。

「…頭の弱そうな女ですね」

「こらっ」

女性嫌いのハルは顔を顰めてシンシア王女をそう評した。


彼らがやってきたことで、夜会はスタートした。挨拶をし、情報交換をし、時に踊る。僕も踊りにやけに誘われる以外、特になんの問題もなく行われていたのだが。

「うわ」

突然ハルが嫌そうな顔をした。

「どうしたの?」

「あの女、こっち来ますよ」

シンシア王女のことだろうか。

ハルが逃げようと踵を返そうとした時、

「ごきげんよう!」

振り向くとそこにはシンシア王女が。

「あら?…貴女…この前の!」

流石にわかったのか驚いた声を上げるシンシア王女。

「女性だったの?…ふぅん、そう」

途端に興味をなくしたかのようにこちらを冷めた目で見る。

「そんなことより!貴方!お名前を教えてちょうだい!」

ハルにズイ、と近づき話しかける。

「……ハルノルトと申します」

さっきの嫌そうな顔はおくびにも出さず、ハルノルトがそう答える。

「そう!ハルノルト、貴方は普段何をしているの?」

「エル様の助手をしております」

「そうなの!貴方うちに来ない?ここよりいい待遇を約束するわ!」

……またかい!また引き抜こうとしてる!

「私が働くのはエル様のもとでのみと決めておりますので。お言葉はありがたいですが、辞退させていただきます」

「エルってこの子?……生意気ね」

最後は聞き取れなかった。ただなんかめっちゃ低い声だった気がする。


「シンシア王女殿下、探しましたよ」

そういって近づいてきたのはルクス。

「まぁごめんなさい、素敵な殿方を見つけたものだからつい…」

「ハルノルトのことかな」

「えぇ!我が国に来ないかと言ったんですけれど、断られてしまいましたわ」

残念そうに言うシンシア王女。

「彼はエルに忠誠を誓っていますから」

「それでも!私の誘いを断るなんて…」

なんとかしてハルを引き抜きたいみたいだったけど、最終的にルクスに断られて諦めてた。

「あぁそうだエル、また店に行ってもいい?」

ルクスがちら、と横を見ながら言うので僕もちら、と見てみると。

…すごい睨んでくる…。

「…いいよ、ルクスが都合のいい時で」

にこ、ととりあえず微笑んで返しておいた。

これに反応したのはシンシア王女。

「ルクス?リヒト様のお名前はリヒト、でしょう?」

「僕がそう呼ぶことを許しているんです」

これに王女はさっきより嫉妬のこもった目で僕を睨んできた。

「…そうなんですの」

そのあと彼らと別れて。夜会はしばらく続き、次第に幕を下ろしていった。


数日後。

シンシア王女から手紙が届いた。内容は、『医学に興味がある。一度お話をしよう』的な内容だった。

(ほんとか?)

疑ったよね。そして拒否権はないようで。一方的に日時が書かれて終わりだった。

…この子はマナーってもんを知らないのカナァ?

普通は相手が下位であっても予定は聞く。そして返答をもらってから準備するものだ。だがこのぶんじゃもう準備も終わってるな…?

「行くしかないかー」


それから2日後。


「失礼します」

「あら、来たのね。まぁ座ってちょうだい」

ざつぅ…。

椅子に座ると、お茶とお茶菓子が出てくる。一応《鑑定》。結果はー?

…毒物。

この王女様マジか。そんな恨み高いの?

「さあ、飲みなさい」

シンシア王女は飲むように勧める。と言うか強制する。

「では、いただきますね」

こくん。飲んだ。即座に《アナリシス》で解析、分解。毒を無効化した。

「わぁ、美味しいですね、これはなんと言う茶葉ですか?」

笑顔で聞いてやると、露骨に焦った顔になった。

「こ、これは我が国に昔から伝わる秘伝の茶よ。…貴女、飲んでもなんともないの?」

これにはケロッと答える。

「?はい。嫌だな、王女殿下、それだと毒を盛ったみたいですよ…?」

にこり、と笑って言ってやる。ただし目は笑ってないが。

「……ッ!!!!」

それからのシンシア王女はおとなしかった。毒が効かないとわかったのか顔面蒼白。あんまり喋らなくなったのでしばらくしたら切り上げた。ちなみに医学の話は全くしなかったよ。


「毒?盛られたの?」

「うん」

次の日ルクスに報告すると。

「大丈夫なの?どこか体調が悪いところは?」

と質問攻めにされた。そんなに心配しなくても。今こうやってピンピンしてるんだからさ。

 普通に元気なのが分かったのか、質問攻めをやめてため息をつくルクス。

「……今度からシンシア王女とは2人きりで会わないようにしてくれ。どんな危害を加えられるか…」

「毒が効かないのは分からせたからしばらくはおとなしいと思うよ」

「そうだといいけどね」



シンシアの部屋にて。

「貴女ちゃんと毒入れたの?!」

「い、いれました!!」

「だったら本当にあの子には毒が効かないとでも言うの!?あれは特注の、特別に毒素が強いものなのよ!?」

「私どもにはわかりません…!」


がしゃーん!と皿が割れる音がする。

「屈辱的よ!あんなに恥をかいたのは初めてだわ!」

「お、落ち着いてくださいませ!!」

「うるさいっ!!!」

ドン、と落ち着かせに入った侍女を突き飛ばす。

「…許さない!許さないんだから!あの女……!!」

シンシアはギリギリと爪を噛んだ。





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