檻の中の謝罪
~前回のあらすじ~
重音さん と マキ のために、様々な障壁を乗り越え相対するも、待ちに待った再会は…………残酷なものとなってしまった。
そして、少し時間を置いて……
アマノ は留置場にいたのだった。
in留置場
ここは欺瞞と狂気……汚れきった欲望が渦巻く場所だった。
「おい!! ここから出せよ!! 誰だか分かってんのか」「なぁ、聞いてくれよ。俺、冤罪なんだぜ……」「ぷっ…………ふひひひ……」「ぐぁああああ!! まだかぁあ……! まだなのか……!? 早くしろぉおおお!!」
空気が死んでいた
生涯感じてきた雰囲気の ドレ とも違う。ここまでの犯罪者と同じ空間に居た試しがない。
でも、まぁ……同類と言えばそこまでだ
俺も今、檻の中にいる。
いまだに現実を受け入れられない……
《これはこれで■■■■だったよ》
「ヴぇヱヱヱええ……ヱヱ………………」
トイレに液体をぶちまける。ほぼ水だ。……あの感触が何度もフラッシュバックする。
いや……だけじゃない…………
《アハハハハハ♪ カサネ は カサネ だよ! 昨日のこと、な~~んにも ■えてないの…?》
「…………………………………………」
無理矢理、感情を無にする。幻聴は……心に悪い。
〈…………別のことを考えよう〉
ジャーー……
水を流す。吐き気が落ち着けば、水くらいは飲める。マサキリ先生 が一度、ここに来てくれた。
《安心してくれ、今回の件は……事故だ。あまり気負わないでくれ。 ……と言っても、無理かもしれないが……アマノ君 は悪くない。 タイヨウ様 もそう言っている》
〈他にも何か言っていた気がするけど、覚えてないな……〉
たった数時間前の唯一の会話なのに記憶がない。
〈……いや、あれも覚えている〉
《留置場で少しの間、生活してもらうことは避けられなかった。申し訳ない。 ただ、アマノ君 の将来を傷付けることだけは、絶対にさせない》
〈……………………俺のことなんて…………〉
どうでも良かった…………
頼れる大人に、力を借りていたら違う結末を迎えたのかもしれない。
《…アマノンは…意外と、最■だね》
まずい……! 始まるっ…………
ギュォ……!
「ヱヱヱ……ヱッ…げはっ…………」
《今日寝てたとこ■住んじゃダメ?》《アマノン を怒らせたの? じゃあ、私も怒るね》
思い出が次々に蘇る。
《私はね、アマノン と結ばれないってこと》《だから、見返りなんて求めてない》《アマノン 以外の誰とも分かり合えることのない心の闇だよ》
〈数週間前に会ったばかりなのに……〉
《…た、タイヘンダーー! 勢い余って力入れ過ぎちゃった…!》《ごめんね~ アマノン 。こうやって話さないと目立つからさ》《■し人 のこと教えて、今からでも■すから》
芋づる式に溢れ出る。
〈……思い出が多すぎる…………〉
《あ、おはよ~》《…マジで出られないヨ?》《そうは見えないよ。 やめとこ…ね…?》《こんなのどう■■~? あれ? 邪魔しちゃった?》《アマノン は誇っていい■! 最高だった■! 言葉に気持ちが籠ってて、聞いててドキドキしちゃった》
そのどれもが……眩しくて………………
《じゃあ、お願い。 貰っ■よ、 アマノン。 私の光堕ち…っ■、そんなに価値ない?》《ほんとにいいの…? 自分の時間は大事にした方が良いよ…》《アマノン がさ… あまりにも理想的でさ…… 昨日も今日も、幸せ過ぎて… 全部、夢なんじゃないかなって、私が壊れたんじゃないかなって、怖くなるじゃん…… そりゃあ……寝れないよ…》
…………ただただ……苦しい
思い出したくないものまで想起しそうな 思い出 には、自分で蓋をしようとノイズが走る。
「はぁ……はぁ…………」
トイレから離れられない。思考の片隅には 重音さん がいてしまう。
ジャーー……
正気が削れていくのを感じる。前までの自分とは、決定的に、致命的に、何もかもが違う……。
「……です」
「ありがとうございます」
聞き覚えのある声だった。
「あ……お取込み中だった……?」
「…………」
ここのトイレは監視の死角の減らすためにトイレのプライバシーがかなり際どい。要するに、目隠しが少なく、這いつくばる俺 と メイアさん の目が合う。
〈そう言えば、母さん や メイアさん が面会に来ようとしてたな……〉
「……………………」
「…………」
俺は目を逸らした。何も言わなくて帰ってくれると思った。もう対応する元気もない。
「……アマノ君 を送った…すぐ後。 『魔女』が現れたの……」
「………………は?」
話なんて聞かないつもりだった。そんな余裕ないと思っていた。
〈『魔女』…………なぜ……??〉
伝説の三塔主に『魔女』という異名を持つ魔族がいた……
冷や汗が吹き出る。メイアさん の声色が暗いのも相まって、誰が、どうなったかも分からない。
「ぅ…………」
「…………」
嘘だろ? って言おうとした。メイアさん が何の確認もなしに報告するとは思えない。無言で俯く メイアさん が嫌な想像を加速させる。
「……どうなった……?」
「場所変えよ……」
〈ジロウ さえ無事か分かれば…〉〈……コウヤ はどうした?〉〈レイン は……〉
「…………」
応じずにいることはできなかった。
~新情報まとめ~
・コウヤ達 は アマノ と別れた後、伝説の三塔主『魔女』と遭遇したらしい
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