友だったナニか
~前回のあらすじ~
サンサン王国 に到着し ヨウさん と合流。マキ と 重音さん を探すために奔走する!!
そこに待っているのは、友か…それとも……
inおばあちゃん家(現自宅)
ヨウさんとは二手に分かれた。
《分かりました。私は ハイソン に行けばいいですね。 アマノさん の方にも直ぐに動ける人を派遣します!!》
マキ が来るなら、場所は2つに絞れる。
よく遊んだハイソンの下水道点検口
〈もしくは……〉
溜まり場にしてたおばあちゃん家
どっちかしかないと思った。いや、ほんとは分かっている。
ギィ……
「…………」
〈ここにいるんだろ……。 マキ〉
鍵はしまっていたし、家に不自然な様子はない。でも、分かる。
〈…アイツ なら、絶対、ここに来る〉
俺は マキ と見つけた地下室の扉に手をかけていた。
《おい、隠し部屋じゃねーか!?》《ばあちゃん には感謝しねーとなぁ! 今度、誕生日だったよな?》《オレ と お前 なら…………どこまでだって行ける気がするんだ……》
「…………」
今、感傷に浸っている場合じゃない。[パワードスーツ] の制限時間もギリギリだ。意を決して、秘密基地に足を踏み入れる。
ギィ………
「……………………」
そこはあの頃の秘密基地にそのまま埃を被せたような薄暗く、静寂な空間。
《随分と……久しぶりだ……》
「……いるのは分かってる。 出て来いよ……」
誰がどう見ても無人だった。ただ、確信があった。五感で感じたわけじゃないが、虚勢や強がりでもない。
第六感が言っている
「……」
〈マキ の狂喜を……、そして、重音さん の存在感を……僅かに感じる…〉
マキ が目の前で笑っている気がしてならない。重音さん の存在感は何というか、残り香や余韻とでも、言えばいいのだろうか……空気が少し違う。
ダンッ…………パラパラ!!
【ブースト】 >踏み込み<
「出て来いよっ…… マキ!!」
…………バササ……
紙束が落ちる。俺らが書き殴った…俺ら以外には本当に価値のない、日々の記録だ。人のいる気配はやはりない。
……出てこないなら、脅しの段階を上げるしかない
「出てくるまで…手当たり次第に物を壊す……」
木刀を握りしめ、まず近くにあった手作り武器を一閃する。
……バキ!!……ガッシャーーン!! ゴゴッ…ギギギ……
アイツ との友情が壊れていく。
「……ったくよ。そんな脅しがあるかよ」
サン!!ピタァ……
姿を現した マキ の首元に木刀を添える。
「マキ……!!」
「その名前は捨てたって言ったろ……?」
「……」
俺の第六感に狂いはなかった。重音さん の姿は見えない。
「よく オレ がいるって確信が」
「重音さん をどうした?」
「……どうしたと思う??」
木刀は確かに添えていた。感覚もある。
〈……でも、なにかおかしい……〉
「質問に答えろ!!」
ブンッ……!!
胸倉を掴むつもりだった。マキ の体を通り抜けた。いや、そこに マキ はいなかった。
「おっと、危な~い。暴力なんて野蛮な」
部屋全体から アイツ の声がする。幻覚を引き起こす何かを使っているのは間違いない。
「ふざけてられねーんだよ! マキ!!」
「…オレ は遊びで生きてるんじゃないぞ…」
「……分かった。 …ただ、教えてくれ……重音さん は…」
「オレ は世界を変える。お前 は傍で見ている権利がある」
〈こいつは……まだ、そんなこと言ってんのかよっ!!〉
「お前が世界を変えたがるのは自由だ。 だが、周りを巻き込み過ぎだろ!! 俺は、お前 の行動に賛同できない!!」
「じゃあ、止めてみろよ!! 使える物全部使ってさぁ!!」
「……」
現状取れる最適解を求められる。
〈もう十分だろ……? 重音さん は世界を左右する存在だ。 誘拐できただけで満足してくれよ〉〈分かった。俺が傍で止めてやる〉〈重音さん は返してくれないか……?〉〈この部屋で心中するか?〉〈足止めすれば、ヨウさん の援軍が有り得るか……? いや、俺でさえ アイツ を補足できない。なら、無理だろ……〉
どれも アイツ を止められるとは思えない。時間はもうほとんどない。[パワードスーツ] の制限時間が切れたら俺は行動不能となる。
《…今日はオレの負けだ!》
初対面の時の猫だましを思い出す。
〈ソレしかない……〉
幻覚で居場所が分からなかった。
〈感覚を研ぎ澄ます……〉
【ブースト・集約】 >第六感<
〈……見つけた……〉
あの時と 同じ じゃ通用しない。
〈脅し要素を最大限上げよう…〉
【ブースト・集約】 >殺気<
〈力を込めないで、ビビらせるなんて不可能だ……〉
【ブースト・集約】 >力<
意識を持っていかれそうになるほどキツイ。だが、気合で踏ん張る。
〈ここで絶対に マキ を止める!!!!〉
ブゥォオン……!!!!
アイツ の5㎝前で、寸止めができ……
ぐにゃぁああ……
世界が一変する
ビチャァア……
〈…………重音……さん…………??〉
目の前に、血塗れになった 重音さん が現れ、こちらにもたれかかる。
ぐぃいーー……!
脱力しきった 重音さん の体重が異常に重い。バランスを崩し、後ろに倒れそうになる。
〈 意 味 が 分 か ら な い 〉
……ドスン……!!
尻もちを着いていた。後ろに着いた手も力が抜けて、体が起こせなくなる。さっきと変わり果てた視界に理解が追いつかない。
「……教えてくれたじゃないか。衝動なんて…クソの役にも立たないって」
マキ が何か呟いて姿を消す。何もかも理解できない。舌も頭も回ってくれない。
「…ゲホッ……」
重音さん の吐血で我に返る。
「か……重音さん……!」
絞り出すように声を出す。
「……ぁ……ア マ…ノン」
胸部が陥没している。明らかに致命傷だ。
〈俺のせい…だ……〉
-<……今の私がいるのは、アマノン のおかげだよ>-
重音さん の声が聞こえた。
「……だ、ダメだ……」
言葉が上手く繋がらない。スキルなんて使わなくていい。無理しないでほしい。
-<さすがに助からないよ~。 でもさ、聞いてよ。 これはこれで幸せだったよ>-
〈…ああ、クソ…… クソクソ……くそっ…………〉
今、重音さん にしなきゃいけないことを精一杯尽くしたい。
心臓マッサージ? 圧迫止血? 人工呼吸? とにかく動きたいのに、体が動かない……!!
触れ合っているのに、冷たくなっていく 重音さん を助けなきゃって想いが強いのに……何もできないのが腹立たしくて仕方ない。
「…………」
「…ぁああ……!! …………っ……!」
〈死ぬな!! 誰かぁあ……!!!!〉
重音さん の息遣いが弱々しく消えていく。とめどなく溢れる涙が視界を覆う。
〈こんなの……幸せなんかじゃないだろ……!!〉
重音さん の体温も、呼吸も、スキルによる繋がりも……何も感じない。完全に理解してしまう。俺は最期の瞬間に立ち会ったのだと。
~新情報まとめ~
・アマノが【集約】の対象にしたもの
第六感
殺気
力
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