抗う血統②
アマノ と父親 シュウ の命懸けの【決闘】。ここまでの軌跡が アマノ の力になる。
切った張ったの大一番……! 最後に立っているのは……どっちだ!!!!
in【決闘】
俺は走っていた。『風の手』はまだ展開されたばかりで、こちらを捉えてはいない。今、この瞬間、一秒も無駄にできない。
[パワードスーツ] ON
【ブースト】 >〖ウィンドストリーム〗<
【ブースト】できる限界まで出力を強める。遠距離だと絶対的に不利で、最後の勝機は 接近戦にしかない。とにかく早く父の下に急ぐ。
目算:30m
「甘い…」
『風の手』が幾本も迫ってくる。
「………んっ!!」
かき消すっ!!
【ブースト・集約】 >水鏡流〖飛沫・水爪〗<
ギリギリまで引き寄せて、邪魔な『風の手』を纏めて一掃する。〖ウォータークロー〗を混ぜた〖飛沫〗。父の〖分水剣・風爪〗のパクリで即興だが、上手くいってよかった。
よし……!
声には出さない。声を出したら、体勢を崩してしまう。
「まだ捌けてないぞ…」
追加の『風の手』だ。そんなの相手してられない。この手の魔法は術者を攻めるのが鉄板だ。
「…………」
《…剣を綺麗に蹴り飛ばしたら、相手の意表を突けたりしないッスかね……?》
いつの日か、ジロウ とした下らない雑談。
〈……走りながら……前に投げて……〉
木刀を走るフォームの中で自然な形で前に投げ出す。
……蹴る!!
【ブースト・集約】 >蹴り飛ばし<
「……」
パシィ……ズザッ!!
木刀を掴んで止められる。でも、そっちに意識が向いて『風の手』の追撃は無い上に、蹴り飛ばしのおかげで体勢を崩せた。
目算:2m
父の間合いに入るが、全力で攻撃はできないはずだ。
だが、油断はできない……!!
【ブースト・集約】 >速さ<
この隙を絶対に逃してはいけない。
ズキン……!
連続で【集約】を使うせいか、慣れない速さに体が悲鳴を上げているのか軋むような嫌な痛みがある。
だが、そんなことに構ってられない
〈ここまで……来た…ぞ!?〉
ゾク…ダンッ…!!
俺の追撃を読んでの 轟滝流 だ。体勢を崩したというのに、まるで意に介していない。凡人の想定を超えてくる。地面を揺らされると、こっちは踏ん張りが利かず一方的に攻撃されてしまう。
だーかーらぁー!!
ダンッ……グォン…!!
【ブースト】 >〖アンチウェイブ〗<
揺れを止める。父と同じく 踏み込み をしつつ、〖アンチウェイブ〗。この動作だけ見れば〖鏡像返し〗だが、この後の動作は全く違う。何といっても、揺れに対処したら 攻撃 は避けようがない。それほど、俺の〖ウェイブ〗はしょぼくて集中しないといけない。
轟滝流〖千撃〗
明らかに即死技だ。もはや、峰打ちなんて手加減はない。確実な死。
殺れるもんなら……殺ってみろ!!
ガキンッ…!!!! ジャラララララ…………
「……!!」
重音さん の保険。命の危機に瀕したら、一瞬で、俺の心臓近くに眠る鎖が大きく広がり、攻撃を無力化する。俺は踏ん張りが利く状態で次のアクションができる。流石の父にも、明確な隙が生まれる。
俺と父さんが闘えば、絶対に父さんが勝つ
でも、俺は一人で来たわけじゃない。色んな人の力を借りて、自分の限界を自覚するほど頑張って、なけなしの才能を捨てるように使って、初めて……!! ここまで来れるんだ。
だからこそ……
〈…… この一撃 味わってくれよ!!!!〉
木刀はない……でも、創ればいい!!
【ブースト】 >〖ウォーターソード〗<
この一撃に掛かっている
思えば、重音さん にアドバイスをもらって世界が広がった あの時も、【決闘】の『賭物』を自然と決めてしまった あの時も、似た感情だった。
《攻撃も防御も、全て繋がっているんだ》
〈……全部…繋がっている…… いや、俺が繋ぐんだ!!〉
力を込める… 想いを…乗せる… 未来の一つだって…くれてやるっ!!!!
【ブースト・集約】 >〖分水剣・水刃〗<
父は、斬られる数瞬だけ、懐かしい笑みを浮かべていた。
++++++++++++++++++++
俺は【聖剣】に乗っていた。すぐさま着地体勢に入る。
〖スローネット〗
……ふわっ…ダッ!!
着地後、即座に走り始める。
【ブースト】 >〖ウィンドストリーム〗<
スキルによる疲労感は残っているが、魔力は回復し、[パワードスーツ] はONになっていた。いつOFFになるか分からないから尚更急ぐ。
〈それより……〉
「…さて、手でも落とすか」
「勝手に、罰ゲーム始めるなよ…!! 後にして下さい!!」
【決闘】によるダメージをチャラにしたというのに、台無しにしようとされたら困る。【決闘】の『賭物』については今、時間を割けない。
自分が勝ったんだから…従って下さい……!!
必死に顔に出して伝える。
ビュォーー!
〖ウィンドアーム〗
「……フッ。 行って来い、アマノ」
父は『風の手』で【聖剣】を回収してくれる。この人が悪用するわけがない。不安要素が一つ消える。
「お願いします!」
父の横を走り抜ける。大きい声じゃなかった。でも、強く、優しい声色が耳に入る。
「…誇っていい」
「………行ってきます」
立ち止まって会話するわけにはいかなかったし、顔もよく見ちゃいない。ただ、これまでで一番……温かい対応で、認めてもらえた気がした。
「アマノ様……! ジロウ様 は…?」
「……安心して下さい! コウヤ達 の下にいます。元気にしてます」
「そうですか…! ありがとうございます! …では、王宮であったことをお話ししますね」
「!! お願いします」
[呼び鈴々] で呼んだだけで要件を伝えていないのに理解が速くて助かる。そして、やはり、王宮で何かあったのだと悟る。
「重音さん は侵入してきた魔族を戦闘不能にしたのですが… 突如 現れた 白髪の男 と一緒に消えてしまいました」
確信する。マキ だ。それ以外有り得ない。
「……思い当たる場所があります」
子供の頃の マキ と思ってはいけない。俺は アイツ を止めなきゃいけない。自分だけができること、だ。
~新情報まとめ~
・アマノが【集約】の対象にしたもの
頑丈さ
〖飛沫・水爪〗
速さ
蹴り飛ばし
〖分水剣・水刃〗
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