第8話 土曜日
毎週木曜日に連載(?)していきます。
フィクションな部分もありますが、ノンフィクションな部分もあります。
正義とは何なのか。
一緒に考えてくれると嬉しいです。
土曜日になった。
今日から世間では3連休である。
刑事や検察の取り調べもなり。
自分としては残念だった。
取り調べできついことを言われる可能性はあるが、
進展する可能性もある。
特に検事との取り調べは勝負だと思っているので、早くその日が来て欲しかった。
そして早く釈放になってほしい。
ずっとそう思っていた。
ただただ何もすることのない時間が過ぎていく。
長い。
全然時間が進まない。
紙も何もないので、何かを書いたりすることもできない。
注文はした。
火曜日に届くらしい。
それまで何をすればいいのか・・・。
本を読むことはできる。
2冊まで貸してくれるのだ。
リストを見て貸してほしい本を選ぶ。
ただ、題名と作者しか載っていないので、
大半の本はどんな内容なのか判断がつかない。
名前を聞いたことがある作家の本を選んで読んだ。
サスペンスというか、殺人などの描写があり、
留置所で読むのにふさわしい本とは思えなかった。
ただ、お笑い芸人が書いて有名な賞を受賞した本は面白かった。
人の思いをうまくとらえている。素晴らしい。
他にすることもないので、
ひたすら歩くということもしていた。
部屋一周が20歩なので、1万歩を目標にして、
500周すればいいかなど考えていた。
200周ぐらいはしたが、
本当にこれが20歩かともう一度測ってみたら18歩で、
計算をやり直さないといけないなと思っているうちに何周か忘れてしまい、
やめてしまった。
筋トレもした。
腕立て伏せ、腹筋、スクワットが主だ。
ただ、結局疲れてしまい、それぞれ50回ぐらいしかやらなかった。
時間があまりにもあるので、バク転でも練習し習得しようかとも思ったが、
ブリッジをしてみると自分の体の固さが驚くほどだったので、
柔軟体操やストレッチを多めに行った。
こんなに固くてはバク転など無理だろう。。
立位体前屈を行って、全然地面までつかなかったが、
やっているうちに床に手がついたのには感動を覚えた。
何も進展がない休日に、
何かが進んだ、できるようになったということが嬉しかったのだ。
もちろん、子ども達のことを考えない時はない。
しかし考えれば考えるほど心配になってくる。
児童相談所は動いてくれただろうか。
そのあたりの続報がなかったが、
それだけを聞くのに弁護士さんを呼ぶのは気が引けた。
なので、次に弁護士さんが来た時に聞くしかないということが、
もどかしい思いだった。
何もできないのならできる限り考えないようにしようと思った。
それは無理な話だったが・・・・。