第7話 心を強く
毎週木曜日に連載(?)していきます。
フィクションな部分もありますが、ノンフィクションな部分もあります。
正義とは何なのか。
一緒に考えてくれると嬉しいです。
次の日は検事の取り調べはなく、刑事の取り調べだけだった。
こちらとしては善意で行ったということを伝えるだけである。
刑事さんはそのあたりに理解を示してくれた。
取り調べというと、威圧的で自白を強要するようなイメージがあったが、
そんなことは全くなかった。
令和の時代にそのような事はないということなのだろう。
もっとも、こちらの話を理解したという「ふり」をしているだけなのかもしれない。
信頼というか心を許すわけにはいかないだろうとも思った。
合わせてどうにか早く釈放して下さいと伝えた。
それは検事が決めるのでこちらから何も言えることはないですとのことだった。
しかし、この件で今までいろいろな人と話をしてきた中で、
一番話をしっかり聞いてくれた印象を持ったので、
刑事さんにその旨を伝え、しっかり話を聞いてくれてありがとうございます。
と感謝の気持ちを伝えておいた。
さて、残念ながら10日間の勾留が決まったわけだが、
土日に釈放されることはないということで、
次のチャンスは金曜日となる。
木曜日に勾留が決まって、その日を一日目とするので、
木金土日月火水木金土となるからだ。
その金曜日に出られるようにするにはどうしたらいいのだろうか。
取り調べには協力していて、何も隠さず話している。
これ以上に協力的な態度をとるのは不可能なのだ。
では、どうすればいいのか・・。
刑事や検事に気持ちをしっかり伝えるしかないのではないか。
弁護士さんに相談したところ、それについては反対ですと言われた。
自分が弱っているということを相手に伝えることになってしまい、
取り調べが苛烈になり、やってもいないことをやってしまったと話してしまうことに繋がってしまうということを心配しているという理由だった。
「人質司法」という言葉で表されるらしい。
心を攻めるという方法ということだろう。
しかも、出られるかもと期待して出られないと非常にがっかりしてしまうかもしれない。
そして心が折れてしまい、自白したら早く出られるかもよ・・・などの言葉に心が揺れてしまうことがあると言っていた。
ただし、自分は折れない自信があったので、
検事などにも言ってみますと伝えた。
早く出られる可能性が少しでも上がるならどんな行動でもしようと思ったのだ。