第3話 留置場
毎週木曜日に連載(?)していきます。
フィクションな部分もありますが、ノンフィクションな部分もあります。
正義とは何なのか。
一緒に考えてくれると嬉しいです。
警察署では、罪状が読み上げられた。
「餓えた子どもをその場から排除するため、パンを渡した。そして、結果的にその子どもを傷つけた。」
内容的にはこのような感じで、その子のためを思って行ったことが、悪意をもって行ったかのように変わってしまっていることに恐怖を抱いた。
警察としては、悪気があって逮捕などしているわけではないのはわかっているが、相手の言い分のみを一方的に聞き、いきなり来て逮捕するというのは、どういうことなのか。
事前に詳しく話を聞かせてくれなどと言われたら、出頭など進んでしただろう。
逃げるなどと思われたのだろうか。
子ども食堂を放って逃げるわけではないというのに。
警察署の取調室で一部始終を話した。
こちらの思っていることは伝えたが、
あなたが行った行為は子どもを傷つけた。だから逮捕したのだ。
ということを刑事は繰り返すばかり。
そんな形で、こちらの気持ちや状況に理解を示すことはなかった。
そして留置所に入れられることとなった。
警察署内にあると初めて知った。
最初に着替えがある。
基本的にボタンがついているもの、チャックがあるものなど認められない。
パンツも含めて、留置場で貸し出されるものに着替えることとなった。
部屋は、5畳ぐらいの大きさだろうか。
真ん中に学校の柔道場にあるような固い畳が3枚あり、
周りを板で囲んでいる形だ。
板の大きさは50cmぐらいか。
トイレはついている。
ほぼ何の説明もないままそこに入れられ、わからなかったら聞いてと言われた。
わからないことだらけで、逆に何も聞けないという感じだった。
留置所の警察官は、取り調べのことなど何も知らないとのことで、
例えば無罪を僕たちに訴えたとしても何もできることはないという説明はあった。
食事は弁当形式で出る。
正直おいしいとはとても言えない。
何よりも冷めているのがきついところだ。
少しでも調味料など足せればと考えたりしたが、無駄に決まっているので言わなかった。
水分や栄養を取らなければこれからいろいろなことが起こると思われるのに、
体調を崩してしまうことになってしまうかもしれない。
無理に全部食べて体調を崩さないようにしないとなと思った。
飲み物はお湯が出た。
喉が渇いていたので飲んだ。
喉が渇いていたのだが全くおいしいとは思えなかった。
一人で何もすることがないので、頭だけは働かせていた。
色々なことを考える。
今後どうなってしまうのか。
どうすれば早く出られるのか。
もう出られないのか。
そんな事はないはずとはわかっているが、どうしても最悪の状況を考えてしまう。
そうなると子ども食堂はどうなるのだろう。
その事だけが気がかりだ。
早く出ないと飢え死にする子が出る可能性もある。
多分もしそうなったとしても誰も責任をとることもないのだろう。
警察の人は自分が「正義」だと考えて自分のやるべきことをしているだけなのだから。
午後9時には消灯となる。
消灯と言ってもかなり明るい。
様々なことを考えながら眠りについた。