第21話 不気味な静寂
毎週木曜日に連載(?)していきます。
フィクションな部分もありますが、ノンフィクションな部分もあります。
正義とは何なのか。
一緒に考えてくれると嬉しいです。
金曜日。
起訴されるかわかるのは火曜日なので、もう残り少ない。
相手は証拠集めに奔走しているのだろうか。
昨日も何もなかったということで、何をしているのだろうと不安になる。
証拠の捏造だってやるかもしれないのだから・・・。
結局この日も取り調べはなかった。
不気味である。
このままないままなのか・・。
それとも・・・。
土日は基本的に取り調べがないので、月火で何かがあるのか。
多分、検察にあと一回は行くのではないかと思っている。
そうすると、月曜日に検察に行って起訴かどうか決めるのだろうか。
検察ではなぜ黙秘しているのか聞かれるだろう。
その時にも黙秘で通すのか、刑事の取り調べが余りにもひどかったからだと伝えるのか・・。
どちらがいいのだろうか。
弁護士さんと相談したい気はしたが、
この日弁護士さんは来なかったので、聞くことはできなかった。
土日に来ることはないので、月曜に検察に行くなら自分の考えで行動しなければならない。
弁護士さんは裁判になったとしても無罪にできる自信があるようだったので、
それを検事に伝えてみるのも一つの手かなと思った。
家族が面会に来た時に話してみたが、
別に悪くはないけど、とにかく変な事を言って、有罪に近づくことだけは避けたいよね。
と話していて、そうすると、黙秘が一番いいのだろうと思った。
土日の間にゆっくりと考えよう。
毎日家族は差し入れに本を持ってきてくれるのだが、
もう家にあるのはあらかた持ってきてしまったようで、
今日は1冊だけだった。
土日は暇なので残念に思ったが、
留置所で貸してもらえる官本でも良いかと思った。
こんな時でないとなかなか本を読まないので、
漫画ではなく、活字の方が良いのかもしれない。
ただ、家族はブックオフとかで漫画を探してくるね!と言ってくれた。
こちらとしては、火曜日で外に出るつもりなので、
今更買う必要はないのではないかと思ったが、
一応ねということだったので、
ありがたくその気持ちを頂き、楽しみにしようと思った。
小さなことでも、楽しみに待つというのは大切な気がする。
留置所の中では、することがなく、色々なことを考えてしまう。
悪いことを考えて不安に押しつぶされそうになることも多い。
少しでも心にプラスになることを頭に入れることができてよかった。