第20話 起こりうる現実
毎週木曜日に連載(?)していきます。
フィクションな部分もありますが、ノンフィクションな部分もあります。
正義とは何なのか。
一緒に考えてくれると嬉しいです。
木曜日。
いつ刑事に呼ばれ怒鳴り散らされるような取り調べを受けるのかびくびくしていたが、
結局呼ばれることはなかった。
呼ばれるかもしれないし、呼ばれないかもしれないというのは、かなり不安になる。
こちらを不安にさせる作戦として敢えて呼ばなかったわけではないと思うが・・・。
家族はまた面会に来てくれた。
おばあちゃんの具合があまりよくないらしい。
お見舞いに行きたいし、娘を見せに行きたい。
認知症でもう何もわからなくなっているそうだが、
それでも一目会いたいと思った。
早く出てやらなければならないことが一つ増えたような気持ちだ。
目をつぶって念を送る。
気持ちだけでもおばあちゃんに届いて欲しいと願った。
また、一日に一回回ってくる新聞を見ていると、
刑事が証言を捏造し、証言をした人に謝礼を渡し、
検察は供述がつじつまが合わないことを知りながらも、
その証言を採用し有罪にしたという話があったので、
そのことについても家族と話した。
こんなことをされたらどうやって対抗すればいいのだろうか。
証拠を捏造されたら・・・。途方にくれてしまった。
現実にそういうことがある。
ドラマのようなフィクションの世界ではなく。
自分にも降りかかる可能性はあるのではないか・・?
そう考えると怖い。
とにかく専門家である弁護士さんとともに戦っていくしかないだろう。
ちなみに、弁護士さんは忙しいらしく、なかなか連絡がつかないそうだ。
忙しいということは有能ということだろうから良いかなと思いつつ、
自分の事件だけに向き合っているわけではないということは、
手を抜かれることに繋がってしまうのではないかと心配になる。
信じてはいるけど心配だ・・・・。