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第0章7話【永遠作戦】-それぞれの思惑-

アーテルは美しい



「左に進路変更!急いでっ!」



 突然の出来事だった。いや、予測できたことだ。

 ヘクタはインディゴに言われるままGVaを左に急速転換させる。

 その一瞬の出来事の後、車内に衝撃が響き渡る。


 車体が悲鳴を上げながら、加速補機が呻る。


 どうやら直撃は避けられたようだ。



「状況は?」



 ヘクタは声を上げ、それぞれに判断を仰ぐ。



「被弾なし。2時方向距離約4mile(マイル)



 インディゴがそう呟き、ちらと視線を飛ばす。



「待ち伏せされてたみたいだね。」



 ヴァルエは颯爽と扉を開けて、意気揚々とGVaの天井にぴょんと乗り移った。



「ヴァルエさん!?」


「だいじょぶ、だいじょぶ。イミヤちゃん!任せといて〜。」



 そう言い、ブレードを慎重に構える。ブレードの重心を右斜め下に持ち直し、真剣な眼差しで目を細めた。呼吸と共に、精神を集中させ ーー


 一閃、ギャキンと甲高い金属音と火花とともに遠方から飛来する弾を叩き切った。


 その衝撃は凄まじく、その余波により一風巻き起こる。それもあってか、車体が大きく傾き、ヴァルエがバランスを崩し掛けるのも仕方がないと言えるだろう。



「おっとと、ちょっと運転下手なんじゃないの?」


「天井で弾を叩き切る奴なんているか。」



 そうは言ったものの、実際運転が荒い事には間違いはない。先程確認した所、機器系統に異常ないが、右への小回りが確実に悪くなった。これ以上被弾すれば、いつGVaが停止してもおかしくはない。



「私もお手伝いします。」


「ヴァルエも言っていたけど、大丈夫。安心して。」



 何かに焦るイミヤをインディゴが制止し、ドアを開け、洋弓を構えた。


 白と蒼の輝きを放ち混じり合わさるアーテルはまるで羽ばたく白鳥のようで…


 バシュッ


 アーテルと矢の混合により、距離と威力が上がっているそれは易々と相手の狙撃手を射止めたようだった。



「次は…」



 インディゴの言葉が続くことはなく、轟音と共に車両が吹き飛ばされた。


 上下左右の感覚を失い、身が転がるような衝撃を肌で感じる。それを理解するに数秒の時間を要した。


 ドアが破損し、車外に投げ飛ばされ、砂埃が舞う大地に振り落とされたのだ。


 砂の味を噛み締めつつ、苦々しい思いをしながら--



「先程の奇襲攻撃は陽動か。」



 遅すぎる閃きに嘆息していると、砂塵の中から人と思われるシルエットが浮かび上がってきた。



「せぇーかぁーい。」



 やけに耳に残る話し方をする女が腰に手を当てながら闊歩する。



「今回もあっさり終わりそうね。つまんないのぉ。」



 もうこちらなど眼中にないと言ったような一言で、闘気があるものを捲し立てる。


 砂煙が再び揺れる。


 狐耳をした何かが、女の首筋に一閃、後ろから斬りかかる。その刹那の攻撃を女は簡単に避けると、その背後で、再び爆発が発生し、吹き飛ばされていった。


 変わると同時に、先の青と白の矢が女を射止めんと殺意の刃を向く。

 しかしそれすらも、事も無げに爆発で相殺した。



「元気な子もいるみたいね〜。感心感心。今回はちょっと遊べちゃうかも♪」



 余裕の笑みを崩さず、気分は上々のようで、携帯端末を弄る。



「お前は誰だ?」



 そんな彼女にヘクタは話しかけた。わざわざ意識を私に向かせ、相対(あいたい)する。



「名前ってそんなに気になるものなの?私には分からないなぁ〜。結局聞いた意味が無くなっちゃうんだからぁ〜。」



 そう言い、パチンと一音。



「良いよ。楽しましてもらってるし、特別に教えたげる。私は『ノウン』。六大器(六つの器)(Singular Spirithorture of Six)のうち、その一人。要はサタブラッドの幹部ってところかもねぇ〜。どう?少しは絶望した?」



 紺色の目を細め、灰色の髪を靡かせながら女は薄らと嗤った。

戦闘シーン語彙力ガンバル…

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