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第1章17話【進展境地】-凶器と脅威の隠居-


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 日が沈む少し前。ヴァルエと名乗る人物を逮捕してから連行しようとした時。一本の連絡が入った。連絡元は当然……。上司からだ。



「えぇ分かってるわよ。だからその信号を探知して私たちを向かわせたんでしょ?メイン目標を見失ったのは悪かったわよ。……大丈夫。3日後には確実に場所が分かるわ。ーーそれまで待てない?分かったわよ。Dは後回し。先にCからでしょ?はいはい。」



 プツリと浮かび上がった画面をスワイプして、通話を切った。

 舌打ちと共存するとは思えない鼻歌と共に、この街に消える。



「さぁて、主役ちゃんはどこかなぁ?かくれんぼしよっか?」



 罪人を引き摺りながら陽の光の中照らされて………。









↓↓↓








 吹く風は冷たく頬を擦るように通り過ぎて行く。昼の暑さなどとうに忘れたように、冷え込み出し、獲物を捉えるかのように鋭くなる。雪が降るように砂塵が舞い、行く者を拒み、積もり続ける。


 そんなアレカサンドゥリアの灰に染まった中枢で……



「ここらが良いだろうな。誰にもバレちゃいねぇ旧世代の産物だ。」


「ーー旧世代…。私には何にも感じないけど、ヘクタには思うところがあるみたいだね〜。何か思い入れでも?」



 何の変哲もないと言ってしまえば楽であろう。ーーが、ヘクタにとってそうは見えなかった。周りの建物に溶け込むその姿こそ違和感でしかない。

 それがどれ程、砂塵に、コケやツタに脅かされようと身に染みる脅威は消失することはない。



「思い入れは特にない。ただ気に触るだけだ。」



 思い入れなど無かった。


 ーー無かったらどれだけ良かったか。旧世代はそれこそヘクタの身を引く、あの日を連想させる、



「うーんじゃあ、やめといちゃう?って気を遣いたいところだけど……そうも言ってられないんだよねぇ。」


「分かってる。ーーグラナダ。お前から見て、此処は後何日持つ?」



 何か懐かしむように耽るグラナダを呼び戻し、サッと気怠いように指で建物を指した。



「もって2日だな。」


「意外と短いな?理由(わけ)は?」


「週に1回、異常がないか、識別コード参照可能のチップを拵えたドローンが順次警戒している。前に一度作動したところを見たが……あれを誤魔化せる手段を現時点で持ち得てない。」


「人感センサーってこと?今どき笑えないねぇ〜。人を管理するって、どこぞの独立国じゃないんだから。」


「……いや、人感センサーは吹聴だろう。そんな技術をどこも持ち得てない。……一つ可能性があるとすれば………」



 そんなはずはないとヘクタは否定する。そんなことはあってはならないと。しかし、心当たりが無いわけではなかった。そう誰もが知っている。誰もが知らずに使っている。


 もったいぶるヘクタに待ってられないとミスリアは催促する。



「あるとすれば?」


「ーー()()()()()()。」



 アーテルに鼓動し、アーテルに共鳴し、アーテルに輝度を齎す。

 例え微粒な反応であったとしても、コンピュータが逃すことは限りなく零に近い。



「そんな技術見たことも聞いたこともないが、此処の技術力で可能だと?」



 グラナダは半信半疑ではあったが、ヘクタには確信の礎となる根拠があった。我々も知っている。

 実際危害を加えられた。


 それはーーアーテルを含んだ爆弾。


 誰に技術提供されたのか不明であり、サタブラッドとの戦闘で用いられた。その痛みはこの世界の誰よりも知っている。


 今更悩んでも仕方がない。それよりも優先すべき難問があり、、



「イミヤとの約束は3日後明朝(みょうちょう)。問題は後1日保護対象もいる中でどうするのか。それと、……イミヤ達か。」



 今のヘクタには背負うべき人もいた。逃れる事はしない。責任を果たすように背負い続ける。

 背中の少女へと視線が移り、再びミスリア達に向き直す。


 ーもっとも彼女(アン)が望んでいるかは別の話だが……,




「んー。あの子達は別に気にしなくても、だいじょぶじゃない?」


「イミヤ達か?」


「ーーうん。狙われているのは多分ヴァルエって言う子と…………私…だから。」



 長い長い耳をクルッと外側にしながら、意を決したように話す。下向いた顔を正面を向き直し、灰色という枠組みを超えた、眩い瞳。それを持って応えた。

 不明瞭ではあるが、ミスリアからすれば確信に他ならないのかもしれない。


 グラナダは静観を徹底し、ヘクタは当然の疑問を口にする。



「なぜ今になって話す?今から突き放すこともできるんだぞ?」


「そんなことしないのは知ってるし、貴方達も付けられて狙われてるのも知ってる。なんなら私がヘクタ君の首を掻き切ってもいいんだよ?」



 そこら辺に落ちていた刃が溢れた包丁を拾い上げクルクルと回し、こちらに向ける。



「無駄な問答だな。ミスリアと、お前は……ヘクタだったか?今ではなく、明日を見ろ。こっちも暇じゃないんだ。」



 グラナダに釘を刺され、ミスリアはポイっとそこら辺に包丁を投げ捨てた。

 その肝の座り様は一体何処から来るのか。興味は尽きない。


 だからこそ彼女、ミスリアの奥の内は、広大なのであろう。

先週は休んでごめんね~今頑張ってこの章の合間合間の結末を練ってる途中だから

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