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第1章7話【酔狂約定】-かけひき-

滑り込みセーフ。。。。。。。もう目標23時にしようかな



 夜食を調理する前のこと。緩い風が頬を伝い、淡い光が姿を映す。


 流石に捕虜を連れていることも紹介しなければならない。短い間であろうが、旅を共にする。ミスリア一人を連れ、扉の前に立つ。


 パシュ

 GVから灯っていた1部分のLED。その光は奥底を照らすようで…



「連れて行く前に認知させる必要があると思った。」


「この子は?……腕輪。ーー捕虜ってこと?」


「そうだ。一応軍扱いだからな。こういう事も起こりえるし、これからもあるかもしれない。」


「別にあなた達の戦争にとやかく言うつもりはないわ。」



 そう言って片目を閉じ、長い耳を片方垂らし、壁に凭れかかる。

 まるで興味がないといった様な雰囲気を醸し出す彼女は何を感じたのだろうか。インディゴならもしや…いや止めておこう。私は彼女の本意を知りたかった。ただそれだけだ。



「一応ミスリアの扱いは被保護者となる。だからこれからもし仮に戦闘が発生しても介入することはできない。そして我々も戦闘を強要することが不可能になる。」


「わかってるって。だから私はGHMでなくワーマナだったら…。はぁ。もういいわ。で?あなた、ヘクタ君の目的は何?一対一で話したかったから私を一旦これに乗せたんでしょ?」



 外の光と一部分のLEDが目立ち、闇に支配される中、コツコツと靴音を鳴らす。此方に近づき、身長が低いながらも顔を覗かせた。



「そうだった。そして答えはもう得た。」



 話していても分かった。彼女は留まっている。それも過去に。現在を生きず、過去に生き続けている。

 彼女は未だに逃げている。この子も………



「トゲのある言い方。まぁいいわ。あなた達が所謂中立国アレカサンドゥリアに連れてってくれるんでしょ?」


「間違いではないな。ーーただ……」



 イミヤ達の声が聞こえた。

『見えました。GVです。』

 ある程度散策を終えたらしい。それをミスリアも察知したようだ。



「ふーん、まっいいや。どのみち連れてってくれるみたいだし。」



 そう言って、私の前を通り過ぎ扉に手をかけこちらを覗く。



「短い間だけどよろしく頼むよ?」



 ウインクをして去って行った。気のいい奴である。その後ろ姿を見通しながら…



「ーー何もしなくて良い。それが正解だ。例え底が見えようとも元から地上などどこにも存在しないのだから。知る必要はない。」



 その声はヘクタ以外に届かない。届ける気もさらさらない。絶望は常に隣で笑っているのだから。意味のない言霊が誰に伝わることなく霧散した。




 ただ一人を除いて。





↓↓↓







 それはミスリアを拾ってから暫くした時のこと。もうすぐ目的地に着くであろう。仲良く自己紹介をしつつ趣味の話をしている中、ヘクタは一つの話題を投げかけた。


 生きる上で何事にも知識が必要だからだ。



「ミスリア、この国で暮らして何を感じた?」



 その問いに頬を掻き、少し戸惑いを見せる。答えを得る為の知見を持ち得ないとは考え難いが、外に出ていないのであれば、仕方ないと言えば仕方がない。

 とは言え肌感までは損なわれない筈だ。獣人(beabaris)であるとするならば。



「直感でいい。現地の空気を知りたいだけだ。」


「うーん…。それなら…。んー。ヒュームがヤケに交戦的な位じゃないかな。まぁでもマシな方だけどねー。」



 その時のことを思い描いているのか目を瞑り頭を左右にゆったり揺らす。



「けどね、悪い人たちでも無かったよ。同郷同士の結束が固くてちょっと難儀だけど。どっちに着かずって感じで、いざ話して見ると案外優しかったりする。まぁ、内側で何考えてるかなんてわかんないけどね。っと、どう?少しは参考になった?」



 初めてのGVで立ち慣れない彼女は、感覚を抑えながら落ち着きを得ているのだろう。バランスをすぐに立て直した。

 文字媒体、01信号を見たところで実際に感じると感じない事では天と地の差がある。それが実地であるなら尚更だ。



「あぁ、十分な程にな。」


「ならよかった。ヘクタ君の性格なら根掘り葉掘り聞かれるものだと思ってたけどそうでもないみたい。」


「ヘクタはそこまで常識は欠如していないと思いますよ、、たぶん…」


「わっかんないよー。こいつ本当に何考えてるかわかんないし。」


「盲目。」



 散々言う彼女らにGVで急ブレーキを掛ける。減衝装置が機能していない今、多少なり揺らして返答した。

 後ろから悲鳴が聞こえた気がするが気のせいだろう。



「着いたぞ。ここがアレカサンドゥリアだ。」



 正面に見えるは、数十メートルはあってもおかしくは無いであろう砂色をした壁である。

 そして、最初の関門である入国審査が待ち受けていた。

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