第0章22話【人的価値】-戦う理由-Ⅱ
イミヤはヘクタ達に連絡したが、遠距離により伝達できてないシーンを付け加えました。
肌に照らされた見慣れた色が示すことは一つだった。
「ッ…インディゴちゃん…。」
シャリリリリザッザ
『ーそう。間に合って良かった。』
通信機器から彼女の声が、思いが伝う。
返事はしなかった。できなかった。言葉が喉元に突っかかり、言いたいこと、伝えたいことすら言葉が出ない。
だから、悠長に感謝を述べている場合ではない事を感覚で理解した。
「それでぇ?お仲間さんが来たところで今のあなた、私とヤり合えるようには見えないけどぉ。何か変わったのかしら。それにまだあと1人…。何してるのかしら。」
奴はまだ絶えない。この程度では。
わかっている。わかってる。
ケジメは私がつける。
痛みを振り切った足を奮い立たせ、息を吐く。
「変わる。…変えて見せてあげる。」
私は馬鹿だ。何もかも中途半端。
連携の為に仕方なく持っていたブレード。正直に言えば、苦手だった。素手で自由にアーテルを使えればと常に思っていた。
けれど、チームに入るとなるとそうも言ってられず、武器を持たされた。本当に嫌だった。
でも、分かったこともある。
インディゴちゃんと戦い始めて、パートナーと言われるようになるまで。
ある日、連携をとる事の楽しさ、信頼し合える仲間。その存在がより一層私の動きを際立たせた。
そして、今気づいた。あれは一種の催眠でもあったという事を。
私の居場所はここだと言わんばかりに靴音を木霊させ、ノウンに対して真正面から加速する。右手でアーテルを凝縮し、奴に直接ぶつけて弾くために。
それこそ、文字通り眼前に迫る勢いで……。
横に飛んだ。正確にはノウンを中心に宴を描くように。腹の立つ笑みが固まった、意表を突いた。そう確信した。
唖然に囚われたノウンに、インディゴの蒼く淡いアーテルと、ヴァルエの拳が迫って…。
ーー避けられた!?どうしてっ?
そう思った頃には空を舞っていた。
全身が圧迫され、痛みが、痺れが、至る所から襲う。体勢を立て直そうにも宙に浮く感覚しかない。わからない。
「ッ!?」
そんな時、はっきりと視えた。いや、気のせいかもしれない。けれど視えた気がしたのだ。
特徴的な蒼く沈んだ瞳。けれどそれでいて澄んでいるようで…。
その表情は安堵の笑みが窺えた。
↑↑↑
「すごい。」
思わず声が漏れていた。今までの姉さんとは思えない程に、動作が一つ一つ、ピースが揃ったかのように滑らかなのだ。
眼を使わなくとも姐さんの動きが、気持ちが伝わってくる。次はここ。その次はこっちをお願いと、頼まれているかのように、理解できる。
変化があった。それこそ目に見えるほどに。
ノウン自身がアーテルを使い身体ごと弾いた時、少しばかり不安が過った。
期待と不安、普段相容れない感情。
こんな私にも、感情を露わにする権利を持ち得ていたのだと自覚した。
アーテルが流動する。それは血流のようで、気流のようで。
淡く私を照らす。存在を露見させる。
この昂る感情に自然と口角が上がっていたらしい。
すっと頬を触り、頬を伝わせ、力なく手を下ろした。
この感覚を失わないように。零すことのないように…。
↓↓↓
接戦だった。それこそ死を天秤に掛けるほどに。お互い一歩も譲らず激しく衝突する。
決着がつくことが無いと思われるほどに互角だった。
ヴァルエは起き上がり続けた。
蓄積された傷跡は不可視で、だが確実にその刻は迫っていた。
荒い呼吸が神経を圧迫する。疲労なんて既に忘れた私に感じれることは温かみだけだった。彼らと部隊の皆と日々の記憶がフラッシュバックし、思わず涙しそうにもなるがグッとこらえた。私がすることを彼らは望んでないかもしれない。いや、望まないだろう。けれど、もう引くことはできない。引くことを許さない。私が許さない。いや、許せないのだ。これは私の罪。背負うべき罰だ。
息の根を止めることに集中しよう。余計なことは考えるなヴァルエ。私はヴァルエだ。それ以上なにもない。
鮮血が宙を舞い、空に張り付くように散る。拙い言葉で相手を誘導する様に。
戦いながらもじっくりと観察することをやめない。いくら頭が悲鳴を上げようが、気怠くなろうが、止めることはない。
奴の疲労の色は見えない。最初から澄ました顔で私を内を垣間見るのだ。
気持ち悪い。ーーけれど不思議と居心地が良い。
違うそうじゃない。流されちゃいけない。私が決めるんだ。私が変えるんだ。
だから、ステップを変えた。普段から気に入らなくて、気乗りしなかった軍式(ワーマナ式)に。気高く埃が溜まるような、そうであったとしても錆びない技。
一歩。また一歩ペースが崩れてゆく。けれどそれが致命的な隙を晒すことは、何故か無かった。
技を織り交ぜ、動作を磨き、時に鋭く攻め引く。
ノウンが眉を顰め、頬を強張らしたように見えた気がした。
奴はそのステップに対応が遅れ、気が取られ始める。
顔を狙うようにして突き出した紅く輝き纏う右腕は、ノウンが首をスレスレに曲げることにより回避された。その表情は笑みなのか、緊張なのか。
ここだ。そう思ったヴァルエは追撃の手を緩めない。
左手を突き上げるように。身体を持ち上げる勢いで…。
それでもノウンは身体を翻すように避けた。今まで何も無かったように。
ーーそう思った。
突然力を無くしたかのように奴の左膝が落ちたのだ。
遂に体勢を崩した。罠かもしれない。けれどこの隙しか機会はないように感じた。これが本物だと告げる直感を信じ……。
これで私が終わらせる。
その思いがノウンの喉元に届い……。
「もうやめてください!!!!!」
そんな聞きなれたはずの声に違和感を感じながら、重力波のようなもので強く引き離されたのを感じた。
今思ったけど人間関係ギスギスしすぎじゃね?なんか辛くなってきた。
書きたくて書いてるんだけどなぁ。偶には癒しも見たい。←なら書けよ()




