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第0章20話【多感十色】-その先へ-

話がめちゃくちゃだって?気のせいだよきっと。(遠い目)




・No Signal・

・ ××××××× ・

・No Signal・



「ッ…駄目です。繋がらない。ここじゃまだ遠すぎる…。」




 響き渡る轟音。


 焚き上がる白煙。


 これだけ離れた距離にいるにも関わらず肌身に感じた。


 駆ける風が徐々に弱まり、これまでの移動が嘘のように、トボトボと減速する。


 息がしづらい。肺が嫌というほど伸縮と膨張を繰り返す。細い喉に土臭い空気が苦しいほどに何度も吸い上げられる。



「間に合わなかった。」



 その事実だけがイミヤの中で反響し、内壁を切り刻む。


 あまりにも早過ぎた。作戦開始時刻よりも14分早い。


 けどこれは言い訳にすらならない。


 あの爆発は、私が痛いほど知っていた。いや、知らされた。

 不注意で、慢心で。たったそれだけのこと。そう思うだろう。だが、あの光は、そのひと時で全てが終わるのだ。終わらせるのだ。


 なぜ作戦が組まれる前に気付かなかったのか。気付けなかったのか。



「私はまだ拒絶してるの?そんなはずない。そんなはず…ない。」



 頭が痛い。チリチリと削られる感覚。が引きつり思わず腕で押さえてしまうほどに。

 違う。今必要なのは悔いる事じゃない。

 次に進むための行動だ。


 一歩また一歩と、進んで()く。


 過去は変えられない。だから少しでも良い方向に未来を進めるように私は行く。たとえそこがどんな終焉であったとしても。



 ふと横目に不思議と路地裏が映った。


 ここまで明らかに人気はなく誰がいるわけでない建物ばかりだった。なのにあの路地にあるドアは開いているのだ。視線が吸い込まれ、それに伴い身体も自然と向かった。

 いつしかその空虚な入口の前に立っていた。


 瞬きを一つ。か細い呼吸が肺全体に巡る。


 その部屋に向けて一歩踏み出そうと…。



「違う。」



 直感がそう告げていた。この場所じゃない。

 自然と手が伸びた。隣のドアに。冷えた手がノブに触れ…



 ガチャリ。



 鍵はかかってなかった。スルリとドアノブが回りだし、ドアが開かれようとしていた。

 全身に緊張が走る。やけに心拍音が、耳元ではっきりと聞こえた気がした。



 開いた瞬間、すぐに異質さが現れた。


 温かな黄色の光が漏れ、路地裏を静かに照らす。

 そのままドアを思いっきり開いた。


 温かな風が私の頬を通り抜けた。シャリシャリと音を靴で感じながら進む。


 そこには生活的空間が存在していた。

 白い煙のようなものを目で追う。すると、一般よりも低めだろうか?そのキッチンにある鍋から立ち上っていたらしい。その内容が気になって除くとそれはスープのようなものだった。



「この具沢山でスープのような食べ物は確か『しちゅー』?まだ暖かいということは先程まで人がいたの?」



 次に気になっていた後ろを振り返る。リビングには割と大きめの木目の入った黄土色のテーブルの上に二人分の皿の用意がされていた。



「机の上に二つのお皿。この家には二人いた?ならどうして誰もいないの。………爆音。避難したってこと?それにしてもおかしいです。こんなところに二人だけひそかに暮らす必要がない。だったらサタブラッドの人のもの?」



 けれどそれも違う。今サタブラッドの人員は召集されているはず。


 悩むイミヤの目の端に地面に突っ伏している写真立てが映った。

 その写真立てをゆっくりと拾い上げる。辺りを見回すと、元々置かれてたであろう棚があった。棚に戻そうと……ちらりと見てしまった。

 その写真の内容に目を見開き、イミヤは驚愕を隠さずにはいられなかった。



「ッッ!!する


 手が震え思わず落としそうになったが何とか持ちこたえ再びその内容をその目に刻む。



「ノウンさん?ともう一人…妹さん?」



 ひび割れた写真に写っていたのは、彼女ノウンともう一人車椅子に乗った少女だった。


 笑顔のようにも見えたその表情の内には何を秘めているのだろうか。

 私にはまだわからない。



 ダグォオオオン


 突如爆音が響き渡り、建物が振動する。ほこりがチリチリと振り、その建物の強度が知れたような気がする。



「!?爆発っ。それも…これはまた別の、違う感じ。」



 イミヤはふと思い当たる。この振動過去一度だけ味わったことがあることを。



「あの不条理で、無意味な戦いを私が終わらせないと。ノウンさんも、私が…私が……。」



     『()()()()()()()()()()。』



 その写真を元あったであろう位置に戻し、その部屋を颯爽と飛び出す。


 彼女の後姿はやけに小さいように思えた。




 このシーンが必要だったの!



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