第0章18話【任務遂行】-相反する行動-
時系列ややこしくなってきたなこれ、、世間ではエイプリルフールだって?何それ美味しぃの?
この街に戻ってから2日だ。
紅い髪が不思議と綺麗に靡く。
彼女にとって目障りだったのか耳元に向けて左手でスッと無理やり落ち着かせた。
冷風が身体の芯を通り抜け、情熱を心情を忘れさせる。
自身の立ち位置が曖昧のまま確かにこの地に立っていた。
「嫌な空気。」
これからを嘲笑うかのように。この世界が許されないように。
誰に聞き取られる訳でもなく言葉は空に掻き消される。そう思っていたが…。
「何話してたの?」
静かな音色だった。するりと溶け込む自然体。思わず流れる流体のように。崩される。
「んー?まぁーちょっとねー。」
びっくりした。音もなく現れないで欲しい、ほんとに。
けど例えインディゴちゃんでも教える気はさらさら無い。
いつもの調子で普段通りに振る舞えばいい。
「…。」
彼女は賢い。私と違って。
行動一つで何かを感じ取ったのか思案するように押し黙る。
私を見る事もなく口を開いた。
「人それぞれ信念がある事は私も分かってる。けれど、固執しすぎるのは良くない。……これだけは記憶に留めて、独りだと限界がある。それだけ。」
「…気にし過ぎじゃないの?私はそんな大層なものを持ってないし持とうとも思わない。それに、今はイミヤちゃんとインディゴちゃんがいる。もちろん他の仲間………親友たちも。」
「………ならいいけど。」
ほんの僅かな間であるにも関わらず、不思議と鮮明に感じ取る事が出来た。
間延びした記憶が嫌でも脳を焼き付く。
私は馬鹿だ。そんな事は昔から知っている。けれど、感覚でわかることもある。
『インディゴちゃんにこれ以上アーテルを使わせてはいけない。』
佇まいも普段通り、言葉遣いも変わらない。
そう、根拠はない。けれど確かに本能が告げていた。
みんな疲れてるだけなんだ。そう思いたい。そうあって欲しい。
暫くそのまま静寂が続いた。口を開く事なく只々その時を待つように、長いようで短い。時計の針がチリチリと進むように、アーテルが時を待つように巡る。
とてもじゃないが話す気分ではなくなった。ヴァルエがそう感じる程に、言葉には重みがあった。
高が言葉。けれどその一言は、永遠に付き合う時が存在する。
表情が強ばり、自然と手に力が入る。得意のブレードは今も無く、「心細いか」と聞かれれば、yesと答えてしまうかもしれない。
しかし、それに負けない想いがあった。
そう。あったのだ………。
コツコツと遠ざかる音。
「後で。」
発せられた静音は私の耳がピクリと反応するほどに確かに届いた。
だけど私はその後ろ姿を目で追うことはなかった。
短くてごめんね




