第0章13話【人決壊人】-傷の舐め合い-
「それで私のところに来たってこと?」
「はぁ。やっちゃったなぁ。別に嫌味を言いたかった訳じゃないんだけど…、感情抑えられなくて、つい…って今はそんなことはいいの。」
インディゴの翼を撫でながらヴァルエは嘆息する。あーすればよかった、こうすればよかった、なんていうくだらない妄想に浸っては、落ち込む。
結局私も奴らと同じってことだ。
「それで?インディゴちゃんは大丈夫だった〜?」
「……今、大丈夫じゃない。」
「んー?何のことかなー?」
そう言いながら翼に生えた羽を一つ一つ丁寧に撫で下ろす。
「でも、リーダーが無事で良かった。それで、これからどうするの?」
「それはぁーそのー…」
ヴァルエは振り返ったインディゴを横目に、スゥーっと目を逸らした。
「聞きそびれたのね。…多分ワーマナに一旦帰還するんじゃない?」
「それも、そうじゃなくなりそうなんだよねぇ…。」
「と言うと?」
「それは…その〜。奴がねぇ。」
インディゴの前では答えにくいのか確かに口籠る。ただ話したくないだけか、心配事を増やしたくないだけなのか。
そんな彼女の優しさに触れつつ、インディゴは思いつく策を巡らせる。
任務満了よりも必要な事、いや、違う。帰還する為に必要になるであろう出来事。
そうなれば………。
「奇襲。」
「………。」
「黙るってことは適当と言うこと?」
「…………。」
「私達が誰にも邪魔されず、この地を脱する方法の内、最も成功率が高いと見られる策。…でしょ?」
そんなことは分かっていると言わんばかりに押し黙ってしまったが、思うところがあるのだろう。
実際、成功率は高いとしたとて、あまりにも危険すぎる。
負傷している私達には荷が重い話。それに伴いイミヤの重傷だ。ヴァルエが悩む気持ちも、憤る気持ちも理解はできる。
けれど、合理的に考えなければこの先、生き延びるには厳しいと言わざる得ない。
「もう付き合いも長い。伝えたいことがあるなら明澄に言えばいい。」
「……言ったよ。既に言いたいことは。けどね…。イミヤちゃんに止められちゃった。」
腰に添えてある既に剣先を失ったブレードを、そっと手で抑えながら…
「隊のみんなが、イミヤちゃんが、危険な目に遭うのは嫌。それを負うのは私だけでいい。」
これは嘘偽りの無い本音だ。時の流れの遅さを間に受けながら続ける。
「けれど…そんな事は私には許されないんだと思う。いや、そんな権利私にはない。」
そうだ。私に許されるはずがない。そうじゃなきゃみんなに顔向けできない。
ふわと肩に触れるものがあった。
瞳に捉えた残像が瞳孔を大きく見開ける。
それは優しかった。暖かかった。
背負うための背中に彩りを感じた。
「大丈夫。ヴァルエ姐なら大丈夫。」
気づけば頬を伝い、大腿部にポタリポタリと弾け、それは輝きを宿した。
インディゴはそっと彼女の頬に手を添えて拭う。
「私達でリーダーを救おう。そのために話し合おう。」
喉が熱を帯び、目頭が熱く辛かった。
その言葉に、えずき声を上げながら只々頷くだけであった。
人は脆く崩れやすい。どれだけ気強く保とうとも、いつの日にか頼ってしまう。願ってしまう。望んでしまう。
当人にそんな意思はなくとも、求められる言葉が、思想が、純情が、積み重なって層になる。
人は人と繋がるしかないのだ。
人なればこそ人求む。
そうでなくては救いなど無いに等しいのだから。
空いた心は塞がらない。もし、もし仮に傷口を塞ぐ者がいたとしてもそれはただの空想であり、虚像なのだから。
そして、それを全て負うものは……………。
レズもいいよね!(にわか)
頼れる人がいれば人って割と救われるものなんだよねってこぉーとぉ?
live2d制作にハマってしまって書き溜めの消費がまずい事にぃ。(一応旧twitterにイミヤのlive2d上げてます。*注・あくまでイメージ、初心者クオリティ満載!)




