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完全攻略でした!

ここから、さらに過酷な試練が待っているのだろう。

そんな、不安は階段を降りたところでほぼほぼ消え失せてしまった。

階段を下りた私たちの目の前にはありえないぐらいの黄金の山が。

しかも敵の反応も全くない。

私たちはぎらぎらと輝く黄金を見ながら進んでいく。

151、152、153、と進むが、置いてあるものが変化するだけで敵も何も現れない。

そして157層。

サイゼンさんが言っていた終わりの階層。

そこには大きな部屋の真ん中に球体の何かが置かれているだけだった。


「?」


私はそれに近づいて触ってみる。


「ちょっと!ルエ!」


ムーファに止められたが、触ってしまった。

すると、球体から光があふれだし、声が聞こえてきた。


『登録完了。行きたい階層を念じてください』


「へ?」


『行きたい階層を念じてください』


「……地上?」


私がそうつぶやくと、球体はさらに光を強くした。


「いや、まぶしっ!?」

「ルエ!?」

「ルエさん!?」


二人の声がどんどん遠くなっていく。

目を刺すようなまばゆさが消え、目を開けると、そこはダンジョンの入り口だった。

横にはフヨフヨとした球体も一緒だ。


これは、何というか、凄い……。

これ一つでダンジョンの難易度はだいぶ変わってくると思う。

……まぁ、攻略しちゃったんだけど。


しかし、周りにはビンチもムーファもダーミラもバターもいない。

どうやらおいてきてしまったようだ。

私は球体に再び触れる。


『行きたい階層を念じてください』


私は、157層を念じる。

すると、目の前にムーファたちが現れた。

周りの様子も、暗い洞窟そのものだ。


「ルエさん!?突然いなくなってびっくりしましたよ!」

「どこに行ってたの!?」


私は二人に質問攻めにされたので、この魔道具の効果について二人に説明する。

そうすると、二人はびっくりした。


「すっごい便利じゃん、それ」

「これからはきつい移動時間が減りますね!」


ということで、二人にも地上に戻ることを提案する。


「そうですね。ここにはもう調べられるようなものも無いことですし、これで攻略したとギルドに報告しても問題はないでしょう」


そう言ってビンチは大量の地図を取り出す。


「凄―い!地図、書き終えてたんだ!」

「はい。合間合間に、ですけど」


私とムーファは地図を見せてもらう。

凄く丁寧に罠の位置や道順などが記されている。


「そうだ、さっきの黄金とか、取りに行ってもいいですか!?あれだけあれば家族を一生楽に暮らしてあげられます!」

「いいよ!」

「私の収納とか使う?」

「……できることならって思いましたけど、多分私が今持てる量で充分だと思いますので、大丈夫です!それに、あれだけあったらなんか欲張っちゃうのもなんか悪い気がしますし……」


そう言ってみんなで一旦上層に戻って色々な物を回収する。

ちょっととは言ったけど、本当に黄金やほかの貴重品の数は多くて、全く減った様子はなかった。


「それじゃ、やってみるよ!」


私は、ビンチとムーファの手をつなぎながら、球体を作動させる。


『行きたい階層を念じてください』


「地上!」


そう言うと、私たちの姿は157層から消え去り、一瞬にして地上に戻ってきた。

そうして私たちが地上に戻ってきた瞬間に、今までたまってた疲れがどっとやってきたようで、私はへたり込んでしまった。


「あ~!疲れた~!」


私はそう叫ぶと、気持ちを切り替えて立ち上がると、二人の手を引く。


「じゃあ、ギルドに報告に行こう!」


ここまで読んでくださり、ありがとうございます!

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