ジャスミンさんはやっぱり強い
カナン村へ向けて出発して、しばらくすると
前方の茂みから、ボロボロの貫頭衣を身に纏い右手にはこん棒を持つ、肌が緑色の肌の醜い生き物が現れた。
「あ、本物のゴブリンだ!本物は小さいんですね」
「ちょっと、本物ってどうゆう意味よ」
「フゴ!ンガァ!」
その生き物は、手に持つ木の棒を振り上げ、こちらに向かってきた。
「ミクモちゃん、ちょっと下がっててね」
俺の肩にポンッと手を置き、ゆっくりとゴブリンの前へと移動するジャスミンさん。
俺はゴブリンに対して鑑定を試してみた。
□鑑定結果□
《ゴブリン》
スキル[腕力微増]
・攻撃力が少しだけ上がる
固有スキル[繁殖]
・繁殖力が増加する
固有スキル[知能低下]
・知力が低下する
ちかんしますか?はい/いいえ
□□□□
(だから、ちかんって何なんだよ!)
そんな事を考えている間にゴブリンはこん棒をジャスミンさんに振り下ろす。
「ふんっ!」
「ギッ!」
ゴブリンのこん棒を左手で軽々と受け止めるジャスミンさん。
「いやんっ!」
「グギァッ。
(凄いな、あれ肋骨全部折れてるよ)
勢いおさまらず、地面に仰向けでめり込んでいるゴブリンを観察するが、どうやら即死のようだ。
「ゴブ、ジャスミンさん強いですねー」
「あたしは元冒険者だからね、これくらい余裕よ」
徐に短刀を鞄から出してゴブリンに近づくジャスミンさん、そのままゴブリンの耳を切り取った。
「ギルドみたいな所で買い取ってくれるんですか?」
「そうよ、本当は冒険者を辞めたら買取りしてくれないんだけど、私の場合は、昔の馴染みって事で特別に買取りしてくれるのよ」
ジャスミンさんは切り取った耳を俺に差し出すした。
「面倒だからあなたの収納に入れておいてよ」
(どうやるんだろ、鑑定と同じように唱えるのかな)
頭のなかで収納と唱えてみる。
目の前にマ●ンクラフトのような収納スペースが現れた。
棚が百個で、一つの棚に最大十個まで収納出来るようだ。
ジャスミンさんが持っているだけで一生安泰と言ったように、これは使えるスキルだ。
「さぁ道はまだまだ先よ、行きましょう」