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プロローグ~転生~

はじめまして

初のラノベ挑戦なので文章なども

色々とめちゃくちゃですが暖かい目で

見てもらえると嬉しいです。


深い闇の中を何処までも堕ちていく感覚。


「これが死ぬってやつか、呆気なかったな」


本当に呆気ない人生だった。

平凡な高校に通い、平凡な大学へ進学、就職も一般的な企業で営業として働いた。


三十二歳になった時に父が病気で他界、母はその三年後、交通事故で亡くなった。


相手は痴呆老人で、逆走による正面衝突だった。


医者が言うには母は即死だったらしい。

老人は腰の骨を折る重症でそのまま寝たきりになって半年後には亡くなった。


俺は恋愛こそ人並みにしたが、結婚はせず誰にも気を使わず、両親の残した家を一人で過ごす日々をおくっていた。


自分が死んだ瞬間は鮮明に記憶に残っている。


その日、俺は会社の忘年会で部下から勧められた酒を呑んで酔っていた。


帰りにコーヒーでも買って酔いを覚まそうと思い、近くのコンビニに立ち寄った時だった。


「か、金を出せ!」


ニット帽を被り、サングラスにマスクといった一目で強盗と分かる背の低い男が、拳銃らしき物を店員に向けて怒鳴っていた。


しかし、その拳銃らしき物の色が鮮やかなピンクだったのだ。


「プッ!玩具で強盗とか。ハハハッ」


子供用の水鉄砲の様な色のそれを持つ、背の低い男を見て俺は子供のイタズラだと思った。


「ほら君!いくら玩具でも脅しちゃダメだぞ」


「なんだお前!さ、下がってろ!」


強盗はピンクの拳銃をこちらに向けて脅してきた。


「はいはい、その玩具を渡して」


「や、やめろ!」


パンッ!と乾いた音が店内に響いた。


「え?」


身体にドンッと押された様な軽い衝撃がはしった。


力が入らずに片ひざをつく。

腹部を見るとシャツに赤いシミが広がっている。


「お、お前がいきなり掴むからいけないんだ!」


自分の腹部を呆然と見ている間に、強盗は外へと逃げていった。


「ま、まさか本物、、ぶぁっ!」


赤黒い血が口から溢れ、呼吸をする度に喉からヒューヒューと音がする。


いま考えるとピンクの拳銃は、一時期流出して問題になった3Dプリンターで作られた拳銃だったようだ。


仰向けに倒れた俺は、何となく自分が死ぬんだと分かった。


ゆっくりと視界が暗くなり、意識が遠退いていく。


薄れゆく意識のなかで、まだ小学生の時に死ぬ前になに食べたい?

とくだらない会話を両親とした記憶が甦る。


俺はその当時、膝軟骨の唐揚げにハマっていて膝軟骨の唐揚げの食べ過ぎで、顎が外れて死ぬのが、俺の夢だ!と訳の分からない事を言っていた。


その夜、大量の膝軟骨がテーブルに出されて満面の笑顔でコリコリと食べていた事を思い出した。


「、、、膝軟骨の、、唐揚げ」


そう呟くと俺の意識は途切れた。


そうして次に意識が戻るとこんな状態だった。


人生最後のセリフをコンビニの店員に聞かれた気がする。


(最後のセリフだけやり直し出来ないかな)


そんな事を考えていると。


『特異転生を認証しました。転生画面を起動します』


暗闇のなか、突然機械的な女性の声が聞こえた。


「え?なに?誰?」


目の前にパソコンのウィンドウ画面の様なものが現れた。


《転生対象・新山心雲(ニイヤマ ミクモ)

《転生先・ナディニア公国/北西部カナン村》

《時間軸・神魔創記851年、年齢14歳》

《転生補助・言語理解、健康体付与》

《付与スキル・鑑定、収納、error…》


「なんだこれ?、、、転生?」


『転生開始、、、error、再開始、、、error』

『特例措置として付与スキルの再設定、、、

スキル認証。イリーガルスキル[ちかん]

追加取得しました』


「あの、、、聞こえてます?」


『転生を開始します』


「うわっ!眩しっ!」


目が眩むほどの光が俺を包み込んだ。


暫くして光が消えたので、目を開けると、俺はさらさらと吹く風のなか、空を見上げていた。


「え?ここは?」


ゆっくりと身体を起こし、辺りを確認する。

そこは草原だった。


遠くに山々が見え、その隙間から俺の知っているそれよりも、遥かに大きく見えるが月のような星が見えた。


一目でここは地球ではない何処か、と分かる景色が目の前にある。


どうやら俺は、とんでもない第二の人生を歩むことになりそうだ。


…だって裸なんだもの。

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