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異世界クズ転生 〜原作のままに生きていく〜  作者: しゅー
四章 聖域で嗤う(予定外)
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スケジュールは覚えとかないと意味がない

休載のお詫びの連続投稿

久しぶりすぎてまた子供達のキャラを忘れていた。許して。


 なんとかゲバルトから逃げおおせたあの夜から一日が経ち、俺は傷んだ背中を摩りながら登校していた。

 隣には、その様子を不思議そうに見るレインがいる。何度か背が痛む理由を尋ねてきたが、俺はその度に答えをはぐらした。

 まあちょっと怪しまれるかもしれないが、まさかそこから真実に辿り着けるとは思えない。それよりも嘘をついて見破られる方が危険度が高いと判断したのだ。


 そんなこんなしながら、微妙に授業に集中できないままに学園は昼休みが始まっていた。


「それでさー、きもだめしをいつにしようかって話なんだよ」


「……………ごめん、突然すぎて言ってる意味がわからないかな」


 昼休み、いつも通りに集まった俺たちにユキがまた突然訳のわからないことを言い出した。


 いや、言いたいことは何となくわかるのだが……話が飛びすぎである。もう少しこちらにも報連相が欲しい。

 そう思い、俺は未だ混乱しているフラウに代わってユキに質問を投げかけた。


「えと………とりあえず、肝試しってのは何のことなのかな? 教えてくれる?」


 すると、ユキは俺の完璧な煽て笑いに載せられてペラペラと情報を出し始める。


「え? いや今度遊ぼうって話だったじゃんか。それきもだめしってことになったんだ。ほら、せっかくの教会だし、時期も秋でゆうれいシーズンだろ?」


 そう言ってユキはさも当然かのような口振りで答えると、笑顔のままで小首をキョトンと傾げた。

 …………いや、可愛いんだけども、今回は流石に──────


「………ちょっと、それ私たち全然聞いてないんだけど?」


「なんか、随分話が進んでるんだね?」


 うん、そうなのである。


 いや、本当に冗談じゃなく、全く聞いていない。

 別にそこに反論とかある訳じゃないし、言い分も尤もだし、そもそも提案したのはユキではある。だからそこに文句をつけるのはお門違いではあるのだが……いかんせん急すぎる。


「ユキ、別に文句はないけど、もう少し意見を聞いた方がよかったと思うよ? ほら、ルーナちゃんとかが幽霊嫌いだったらどうするの?」


 一応前は大学生まで生きた先達として、俺はユキに優しくアドバイスをする。

 ワンマンはいつか独裁になって省りやいじめに繋がるから良くないんだぞー。


 フラウも流石に怒りを覚えているようで、俺に便乗して愚痴をぶつける。


「そりゃ、私はユーレイきらいじゃない……ううん、なんなら好きだけど、みんなが楽しめないのはよくないんじゃないの?」


 おーそうだそうだ言ってやれフラウ。お前は我がグループの手綱役だ、間違いない! 将来のためにもここで彼の性格を矯正してやるのだー!


 が、その言葉を叩き切るようにユキは一言─────


「ん? ルーナもレインも確認取ったぞ。どっちも行きたいってさ。お前らがそういうの好きなのは知ってたから聞かなかっただけだ」


 と笑った。


「え、えと……私幽霊は好きでね……けっこうそういう本も読んでるの」


「別に、みんなと遊べるなら何でもいいよ?」


 ユキの言葉に続いて、二人はそれぞれ問題ないとさらに笑う。

 要は、ハブられているのは俺たちだったらしい。


 ………………仕事はえぇ。


 ◇◇◇


 その後も何故かいつもより勢いがあるユキに押し切られ、俺たちは特に意見を出すこともなく日程や集合場所が決められた。

 具体的には、時刻は二週間後の週末の夕方五時ごろ、少し日が傾いてきた時に、と言うことだった。


 まあ、いいチョイスじゃなかろうか。普通に楽しそうなものになりそうな予感がする。場所も教会裏手の黒い森でとのことだったし、雰囲気も良さげだ。……だからこそ俺たちも反論できず聞いてるしかなかった訳だが。


 うーん、にしてもユキは何であんなに張り切ってるんだろう。肝試しとかもあんまり提案するタイプじゃなかったと思うんだけど………ま、いいか。多分年度最後で舞い上がっちゃってるんでしょう、うん。


 俺は適当にユキの行動に理由をつける。そして帰りのチャイムが鳴り響く中、俺は迫る肝試しに胸を躍らせながら帰宅するのであった。































 やらかした、と気付いたのは夜眠る時であった。


「…………………………」


 俺はパジャマを着たままに顔に大量の冷や汗を浮かべている。

 そして最近買ったばかりのベッドの上で、カレンダーと睨めっこを続けていた。


 ……いや、何も本当にカレンダーが顔を持っているわけではなく、俺の顔を曇らせているのはその内容である。

 まあ、つまりどう言うことかと言うと。


「──────二週間後の週末って……侵入の日と被ってんじゃん」


 これが俗に言う、『二重予定ダブルブッキング』である。



 ◇◇◇



 ホゲーー!!!!!!!!!!

 バカヤロー!!!!!!!!!!!!


 マージでさぁ! 何が「大学生まで生きた先達」だよ!! ふっつーに先の予定のこと忘れて新しい予定組んでんじゃねーか!!!!!!!

 何してんの?? ねえマジで何してんの???? 俺の記憶は鶏かそれに付随するものだよ、間違いないよ! じゃなきゃこんなミスする訳ないもん!!


 イヤー!! どうすんのよこれもう予定変えられないよこれ! だって今から予定あったわー、はもう無理だもん、ユキなんか話できる感じじゃないし!!

 くっそ、こんなことならちゃんとメモだけじゃなくて、忘れない努力しとくんだったー!!!! 備忘録書いてる場合じゃなかったー……


 と、俺の無音叫び声が部屋に響いた。

 声を出さなかった俺の理性と演技力を褒めて欲しい。マジ偉い。………偉いヤツは予定忘れないとか言うなよ。


 いや、これもう詰んでいるんじゃ?


 どちらかの予定をずらすのは、実はだいぶ難しい。

 ユキの方は今明らかに交渉ができる状態にないし、それに元から一度決めたことは曲げないタチだ。なにより、レインにめちゃくちゃ怪しまれる。今朝のこともある、流石にこれ以上変な行動を重ねるのは避けたいのだ。


 一方侵入日だが、実はこれは本当に不可能だ。

 今、事件のこともあって教会の守りはだいぶ濃くなっている。どこもかしこも神官だらけと言ってもいい。それはこの前確認した。……だが、それが一時期薄くなる時がある情報も、この前手に入れているのだ。

 それが、侵入日──────即ち月に一回の定例会の日である。


 要はその日は偉ーい神官様の講釈があるので、さまざまな神官が一緒に集まるのだ。

 当然、警備はそこに集中する。俺は、それを叩くつもりなのである。


 だが、これは先も言った通り月に一回。今を逃すと次は一ヶ月後………別に伸ばしてもいいが、実はアンリヨールの解放日は設定でこの日! と決められている(らしい。設定資料集でみた。具体的には覚えてないけど)なので、これ以上誤差を広げるわけにはいかないのである。


 まあそんな訳で、今俺は圧倒的窮地に立たされている。

 間違いなく二つの行動を両立する必要がある。二律背反のその選択肢を両立しなければならないのだ。


 うーん、クソゲー。理論上不可能なのはTASでも無理なんですよ!


 と、俺は匙を投げそうになるが、ここで諦めるわけにはいかない。

 なんとか、なんとかして成立させなければならないのだ!!!


 俺は必死に考える、考える、考える。

 考えに考え抜いて、そして──────


「………あ」


 たった一つだけ、一見無茶苦茶な作戦を思いつくことができたのだった。

 


 

 果たして、何をする気なのか………?

 というか、この状況で冷静な判断はできているのか…………!?

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