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異世界クズ転生 〜原作のままに生きていく〜  作者: しゅー
第三章 それは、竜災に非ず
69/125

祭りが終わる時の情緒って半端ないよね

前回から一気に読むことを想定しています。

一回休憩入れても読めるようにはしたつもりですが、ちょっと構成が雑に見えちゃうかもです。

勢いで誤魔化してください。


 「ふぅ、まあ、君はそこでずっと下を向いて──────」


 ガッシャアァァン!!!!!


 ふと、背後で急に大きな音が響いた。


 俺は、今まで話していたリジースから直ぐに目を離し、振り返った。


 「……!  レイン!!!!」


 そこには、先ほどまでレインたちがいた場所に、大量の割れた花瓶が置いてあるという光景が広がっていた。


 まあ、ここは別にイベントの通りなので焦ることもないのは知っているのだが、それでも心配なものは心配だ。

 俺は、なるべく演技に不自然な点がない程度に焦った様子でレイン達に駆け寄った。


 「だ、大丈夫!? あ、リクも、平気!?」


 凹凸のある石の地面を、転びそうになりながら突っ走り、そうしてなんとかたどり着くと、そこには少し膝を擦りむいたのか、脚を押さえているレインの姿があった。


 どうやら、ゲーム通り、花瓶にあたることはなかったらしい。


 そう、このイベント、随分と長いことに、なんと走って、俺がリジースにトラウマ残しても、まだ終わりではないのである。

 というか、ここのイベントは扱いとしては回想シーンのため、バカみたいな長さが用意されている。てか半分くらい普通にノベル+立ち絵のノーマル画面だし。


 そして、そのイベの最後を飾るのが、この花瓶イベントなのだ。


 先ほどからちょくちょく起きる揺れによって、バランスを崩していた花瓶が、レインと王子に落ちてくる。そして、それをレインが見事に庇ってみせる!

 この、一連の流れこそが、このイベ最も大切なシーンなのだ!


 まあ、だからこそ俺がリジースに嫌味言ってても気づかれないんだけど。


 そんなわけで、そろそろイベの終わりが近い。

 一番燃えるシーンである王子との会談と花瓶防御が見れなかったのは口惜しいが、しかしこればっかりは最初から諦めていたので仕方ない。ここは、大人しくグリマニアに徹するとしよう。


 「レインくん、大丈夫かい? ごめん、僕が不甲斐ないばっかりに、怪我を……」


 「リク! ごめんはいいから、早く怪我の手当てを─────」


 「だ、だいじょうぶ……」


 慌てふためく俺たちに、レインは声をかける。

 その声は、明らかに痛みを我慢しているそれではあったが、しかし彼女が平静を保っていることの証でもあった。

 だから、とりあえず俺たちはそれで落ち着きを取り戻す。


 「えっ、と。レイン、怪我、痛くないの?」


 「……ちょっとだけ」


 「レイン君、嘘じゃ──────」


 「ほんとう」


 「──────だから、きにしないで?」


 レインは、そう言って微笑むと、ゆっくりと手を伸ばしてバルの手を握った。そして、その手を両手で包むようにして自分の胸の前へ持ってくる。


 「わたしのことはしんぱいしないで。わたし、つよいから」


 その言葉に、バルは小さく目を見開いた。








 fooooooo!!!!!!!!!!!!


 ぽえー、あびゃー、にょえー!!!!



 てぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇてぇ


 TO☆U☆TO☆I




 …………………はっ!!! 今、完全に人ならざる暗黒面(てぇてぇサイド)に堕ちていた!

 なんか完全に理性を失った獣(超キモオタ)だったぞ!


 いや、でも仕方ないでしょぉ。だって、俺の大好きなゲームの美少女と美少年が、とんでもねぇ名シーンの再現してくれてんだからさぁ!!!

 くっそ、語彙量がなさすぎて文章にできないのがもどかしい!


 あの白い肌も栗色の髪も、そこに浮かぶ慈悲の塊のような笑みも、バルの甘い金髪も見開いた青目も何もかもが素晴らしいというのに!!!


 あーあーあー、この気持ち、全国のゲーマーオタのみんなならわかってくれるはず!


 ……と、まあそうやって叫んでいることは、まあ互いに見つめあっている二人には悟られてはならない。名シーンぶっ壊れるわ。

 くっ、これを顔に出さないようにするのは流石に至難の業すぎるぜ……。


 なんて、俺が一人でゴニョゴニョしている間に、どうやらレインは軽くバルが処置してくれたらしい。レインの傷には軽くハンカチが巻かれていた。

 どこでそんなの知るんだよ、と思うが、資料集によれば、いざって時のために多少覚えがあるのだとか。ほんと有能だなこの王子。


 「えっと、とりあえず、あとはこのままここで、まってればいいんだよね?」


 「あ、うん。あとは僕の護衛達がきてくれるさ。それに、二人の親だって、すぐに君たちを見つけるだろう」


 レインと王子は、すっかりリラックスした様子で広場の橋の花壇に座った。

 どうやら、ちゃんと話し合いは楽しく行われたらしく、二人の様子はとても仲睦まじい。


 っと、そんなわけで、このメインディッシュも味わったし、そろそろ終わりになるのかな、この大騒動(フェスティバル)も。

 そんな思いが、俺の頭をよぎる。


 俺が適当に当たりを見回せば、もう結構な人数がここに集まってきていた。

 まあ、パニックになっていたから避難が遅れただけで、災害が落ち着いて、みんなが冷静になればこれくらいの早さが妥当だろう。


 はぁ、楽しかったお祭りがもう終わってしまうというのは、少し寂しい気分だなぁ。


 おれはそう思いながら、くるりと山の方を向いた。

 だんだんと高まっていく()()()()()()をなんとなく感じ取りながら、俺は山の頂上を見ていた。

今現在絶賛ガンバレ、モノトちゃん! 中です。

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