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異世界クズ転生 〜原作のままに生きていく〜  作者: しゅー
第三章 それは、竜災に非ず
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予定がふって湧いて出た

今までみたいなのではなく普通に第一話


 るんるんるん♪

 たーのしーいなー

 おれっはつっきよっに浮っかぶかげ〜


 最近考えたオリジナル鼻歌(ソング)を口ずさみながら、俺は今日も一人暗闇を歩いていた。

 といっても、歩いているのは道ではなく屋根の上だが。


 因みに、そんな目立つところにいてもバレないのは、当然魔法を使っているからだ。

 体を闇(物理)で包み、俺の姿を見えなくさせている。

 当然、防音の魔法も一緒だ。


 そんなに魔法をいくつも使って大丈夫なのか、と思うかもしれないが、俺にとってこの魔法のマスターは必須だ。

 つまりポジティブに考えれば、これは俺なりの魔法練習と言えるかもしれない。


 毎日毎日、夜にも起きて魔法練習。

 魔力が切れたら筋トレを。それが終わればまた魔法を。


 それが目下のところの俺の、夜での生活サイクルだった。

 勿論すごく疲れる。疲れすぎて時々学園での元気がないこともある。

 だが、必ず睡眠は十分にとっているので、まあ一般人が思うよりは楽だと思う。


 と、そうして日々過酷な練習をしているのだが、正直今思っていることがある。


 「あ〜、暇だ〜……」


 ─────そう、暇なのだ!


 なんと贅沢な悩みだ、怠惰だと思われるかもしれない!

 だが、少し考えてみて欲しい!


 勿論やることがないわけではない。なんならやることはいっぱいある。

 それに、魔法練習という予定で俺のスケジュールはぎちぎちだし、決して自由時間を持て余している、というわけではないのである。


 俺を悩ましているのは、「退屈」だ。

 練習も面白いと言えば面白いが、どうしても単調さが抜けないし、俺の印象のケアや情報収集もどこか仕事、と言った感じがしてしまう。


 そんな状態で、俺の退屈が紛れるだろうか。いや、ない!

 なんかこう、現代社会で社畜やってる気分になるのだ!


 などと無駄に言葉を並べたが、率直に言えば刺激が足りてないのだ。


 それもそのはず、小学園など、ほとんどゲームでは描かれず、イベントなど皆無に等しい。強いて挙げるとすればたまにあるルーナのイベントだが、それももう見る難易度は高くない。待っていれば勝手に彼方(あちら)からやってくる。

 そう、俺は特にやることがないのである。


 「せめてなにか攻略対象(ターゲット)どもに動きがあればなぁ……」


 唯一望みがあるとすれば、あいつらの行動に依存するイベントだ。

 例えばパレードであったり、旅行であったりといった系列とイベント。

 これなら、急遽予定が入る可能性がある。できることなら、ちゃっちゃと動いて欲しいんだが。


 「まあ、高望みしすぎかなー」


 僅かな願いと共に、俺は家々の屋根上を走り回るのだった────




 次の日。


 ふぅ、今日も疲れたなぁ。まあ一睡? してちょっとは休まったけどさ。

 ……ん? 父が何かカレンダーを凝視している。いったい何を──────



 「お、もうあと一、二ヶ月で竜喜祭かぁ、たのしみだなぁ」


 来たわイベント。

 すごいの来たわ。


 え? まじ? もう竜喜祭きちゃうの?

 う、嘘ですよね……?


 「お父さん、り、竜喜祭ってナニー?」


 や、やべぇ、棒読みになっちまったぜ……。

 いや今のは仕方ない。なんとかスルーしてくれ〜。


 「ん、ちょっと遠いんだけどな、隣の都市の『サクリシア』っていう所でやるお祭りなんだ。五年に一回だけあるんだが、結構綺麗なやつなんだぞー」


 ホッ、スルーしてくれたか。安心安心。

 それと同時に心に嵐が吹き荒れたけどな! 落差が激しすぎるよ……。


 うーん、話聞いた限りだと間違いなく俺が思っているやつと同じっぽいな……。


 ………………オワタ。俺の人生ここで終わりかもしれませんなぁ。


 ◇◇◇


 さて、ここでいったい何をそんなにあたふたしているのか、ということについてお話しさせていただきましょうか。

 俺が狼狽する理由は二つあります。


 一つ、俺()()がそこに行くから。


 当たり前と言えば当たり前なんだが、いくらファンタジー、いくら中世とは言え、隣町に行くのに大した危険はなく、しかも目的が五年に一度のお祭りとくれば、当然みんな(俺たち含む)はそこに行くことになる。

 ここ、『王都』からは普段なら大体片道四五時間くらいで着くらしい。なっげえ。

 当然祭前なので、もっと時間がかかることになるだろう。


 まあとにかく、ほとんどの人間がそこに集まっていくのだが……


 すると、果たして一体どうなるのか?

 すこし考えて欲しい。そんな大きなお祭りには、誰が集まるのか。





 考えたかな?



 そうだね、王族が来るね! でかい商家も来るね!

 どっちにも攻略対象いるね!(泣)


 と、いうわけで、実はこのお祭り、子供時代に来る数少ないイベントの内の一つなのだ。

 まあ実際に語られるのは本編中だけど。


 そして、当然俺はそれに居合わせるわけで。

 マジのガチで攻略対象に接近してしまうわけで。


 うーん、精神が正常を保てるか怪しい所ですな。


 ………という冗談はおいといて、まあつまり色々大変なのだ。



 しかし、これはあくまで嬉しいことだ。

 まあ失敗した時のリスクがデカすぎるが、それは普段も同じだし、特段絶望することではない。


 ではなぜ、俺は『人生の終わり』などと言ったのか?

 それは、上の理由の、イベントの原因にある。


 前にも言ったが、ほとんど全てのイベントは、とても間接的にだがグリマニアが関わっている。

 というか、グリマニアのせいである。


 では、今回はどうグリマニアが関わるのかだが……。ここで、先程のことで疑問に思わなかっただろうか。

 何故たかだか祭りがあったくらいでイベントたり得るのか、と。


 勿論祭りはデカイし、いい感じのシチュも作りやすい。

 だが、別にだからと言って、そこでなければいけないわけでもないし、普通はそんなに都合良くイベントは起こってはくれないだろう。


 しかし、実際イベントは起こっている。

 それも、公式一推しのメインキャラである王子との出会いイベントに相応しいほどの『事件』とともに。


 では、いったいそれはなんなのか?


 本来関わるはずのない身分の三人。

 庶民も、商人も、王子も、そんな簡単に遭遇することはないし、万が一にあったとして、初めてではないことを考慮しても会話に花を咲かせる程度に終わる。

 億が一とても気があったとしても、互いの身分的に長くは共にいられない。


 そんな彼ら彼女らが、思い出となるほどのことが起こるには、何をするべきなのか。






 そう、その為には、彼らの身分という境をなくすほどの事件が起きれば良い。

 法、身分、階級、そう言った『秩序』が崩れるほどの『混沌』が、危険が。


 俺がすべきことは単純明快。


 今年の竜喜祭で、竜を、暴走させるのだ。

王都の名前? そりゃ『王都』だよ。

他に何があるっていうんだい?


(王都はデカすぎるので、23区みたいにめっちゃ細かく分かれてます。なので王都そのものには王都という名前しかありません)


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