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異世界クズ転生 〜原作のままに生きていく〜  作者: しゅー
第一章 生きる世界、変わりました
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あゝ素晴らしき誕生日 その2

なんだよ「その2」って。巫山戯てんのか?


大真面目です(真顔)

本当は次のと一緒にしたかったんだけど、なんかめっちゃ長くなったから分けた。

許せ読者、次が最後だ(多分)


 誕生日プレゼントが明かされ、遂に本を手に入れたと喜んでいると、母がまだ誕生日プレゼントは残っていると言ってきた。

 その事にただでさえ盛り上がっている俺の心はさらにフィーバーする。


 本だけでも十分だというのに、まだ全てではない!

 その事実だけでもう俺の顔がにやけるのが止まらなかった。

 実際ちょっと奇声を上げた。抱きついている親の耳元で。すまん。


 母は耳をさすりながら俺を抱えると、クローゼットがある部屋へ向かい、鼻歌混じりに俺の服を見繕い始めた。


 誕生日だから可愛い服を、と気合十分の様子である。

 ……もう幼児服を着るのは慣れました。別に性癖曲がったりしてないよ?


 男である父はそのファッションにかける熱意を理解できないらしく、なんでもいいじゃないか、とぼやいている。

 尚、父の発言を聞き逃さなかった母に怒られてしまっていた。

 かわいそ。でも自業自得だな。


 そうして数十分ほど悩みに悩んだ様子で部屋を彷徨いていた母だったが、急に「きめた!」と叫ぶとズボンとシャツを持って俺の元へ駆け寄ってきた。

 どうやら、やっと服がきまったようである。

 あまりの長さに父や俺はとっくに飽き飽きしていたが、漸く出かけられそうだ。


 っておいママン結局そんなシンプルな服にするんなら最初かr(略)


 母は持ち前の手際の良さで素早く俺の服を脱がすと、俺にその服を押し付け、一言これ着て、と言ってきた。

 あまりのスピードに動きが見えないほどだった。

 俺は引き攣った顔を隠しながら服を着替える。


「着替えたな、よし行くぞ!」


 俺が着替え終わった瞬間、父はそう叫ぶとそのまま俺を引っ張って家の玄関へと向かった。

 ずっと退屈だったから早く出発したい、そんな思いが見て取れる表情だった。


「あ、ちょっと待って、おいてかないでよ!」


 母も走って追いかけてくる。

 父は母が追いついたのを確認すると、すぐさまドアを開けた。


「「それじゃあ、出発だ〜!」」


 最後は二人仲良く門をくぐり、街へと繰り出したのだった。


 ◇


 俺は歩いている両親に対して質問をして、今日の行先について聞き出した。

 二人によると、行き先は二箇所だと言う。

 残念ながら場所についてはサプライズ、とのことでわからなかったが。


 そこまで遠いところでもないらしいので、きっと大して待つことはないだろう。

 そう思い、俺は日差しに照らされながらゆらゆらと父の体に揺られていた。



 暫く歩いていると、突然遠くから大きな声が聞こえてきた。

 何を言っているのかは聞き取れなかい。

 両親はそのことに特に反応はなかった。聞き取れているのかもわからない。


 なんの騒ぎか気になって見ようとするが、どうやら隣の通り(ストリート)でのことらしく、ここからでは何も見えない。

 両親はこのことに関心はなく、そのまま目的地へと淡々と歩みを進めるだけだった。


 正直気になって仕方がないが、どうしようもないのも事実なので見物は諦めることにした。

 明日、両親にさりげなく聞いて見よう。何か知っているかもしれない。


 俺が延々と聞き出し方を考えていると、二人はふと歩みを止めた。


「えーと、ここで良いんだよな、セラリア?」


 首を傾げて自信なさそうに父親が尋ねる。


「うん、そのはず」


 母はそれに胸を張って答えた。


 どうやらここが一つ目の目的地らしい。

 店名は「遊遊道具」……十中八九玩具(おもちゃ)屋だ。


「さ、ここから好きなの選んで。何でも買ったげる!」


 母が満面の笑顔で俺を地面に下ろす。


 喜ぶ子供特有の高音(モスキート音)を発しながら俺はタタタ、と店内へと駆けだす。

 我ながら素晴らしい演技で、そこだけを見れば、ただの純粋な子供にしか見えないだろう。

 しかし、その心内はとても複雑だった。


 確かに玩具はいい。世界の技術を見るのに役立つだろうし、実際最近暇だったのも事実ではある。

 ……あるのだが、いかんせん子供用すぎる。


 自分は一応前はゲーマーだったわけで、しかも大人(せいじん)だった。

 しかも、いくら魔法があってもここは中世。きっとそのレベルは現代社会には敵わないだろう。

 つまり、玩具を心から喜べないのである。


 しかも、先ほどちらと見かけた魔法玩具は5歳からと書いてあった。

 魔法も技術もない玩具に燃えられるほどのゲーマー魂は俺にはなかった。


 まあ、文句を言っても始まらない。とりあえず何かいいのを探そう。


 そう思って、店内の物色を始める。


 辺りは自分の背丈の倍はある棚がぎっしりと並べられている。俺はその大きさに圧倒され、押しつぶされるような錯覚を抱いた。

 こうしていると、あのゲーム屋を思い出すようだ。


 コレを見ると、ふと前の世界のことを思い出してしまう。

 元の世界の俺はどうなっているのだろう。あの店主は元気にしているだろうか。


 少し、感傷的になる。

 だが、俺はあの世界に未練はな……くはないが、正直もう戻れる気がしないので割り切っている。


 こんなふうに考えてしまうのはきっとこの店の雰囲気のせいだ。全く異世界から来た客にもっと配慮して欲しい。

 そんな謂れのないクレームを心の中で入れた時だった。

 ふと、あるおもちゃが俺の目に止まった。


 それは所謂風車(かざぐるま)のような見た目をしており、特に何の変哲もない唯の玩具のように見える。

 しかし、なぜか俺の目はそれから離れなかった。


 ———俺は、これを見たことがある。


 久しぶりに、この感覚が俺を襲った。

 最後にこの感覚を覚えたのは、確か半年前だったか。

 俺の中で未だ解決されない謎。デジャブのようなこの感覚。


 一体何がそうさせるのか、全くわからない。

 いや、わかっているから俺の勘は叫んでいるのだが、本当に絶妙に、あと少しのところで出てこないのだ。

 兎に角、俺は何かの手がかりになるかもしれないと思い、その風車を親のもとに持っていった。


 両親はそれを見ると少し迷って、そして手に取ると、今度は迷いなく店主の元へ持っていった。


 何に迷ったのか、と思ったが、よくよく思い出せばあれは魔法玩具だったかもしれない、と思う。

 それを見るのに夢中になるあまり周りをよく見ていなかったのだ。どこが唯の風車だよ、しっかりしろ俺。


 両親は支払いを終えて俺の元に帰ってくると、一つ忠告をしてきた。


「グリムは結構しっかりしてるし、誕生日の約束だから買うけどな、これには魔法っていう危ない力が込められてるから、あんまり無闇に使っちゃダメだぞ。わかったな?」


 その言葉に俺はしっかりと頷くと、両親は俺に風車を渡した。

 ついでに、その使い方も教えてくれる。


 「それは風車っていってな、クルクル回して遊ぶんだが、魔法の力で風が強くなったやつなんだ」


 そう言って父は風車をクルクルと回し始める。

 そして、それを俺に向けてきて———


 その瞬間手持ちサイズの風車からでは到底起こり得ない強さの風が、俺の頬を撫でた。

 強さでいうなら、扇で仰いだ時くらいだ。


 そのことに俺が驚きを隠せないでいると、父はいたずらに笑うと、今度は俺がやるように言ってきた。

 言われた通り、先ほどの父の真似をして風車を回す。

 しかし、なぜかその風は少し強い程度で父がやった時ほど強くはなかった。


 父はそれを見てニンマリと笑うと、


「はっはっは、弱いなぁ。これにはコツがあるんだよ、コツが」


 と言ってドヤ顔をしてきた。

 クソッ、子供相手にマウントとか恥ずかしくないのか!(僻み)


 そうやって怒ったような目を父に向けても、今日の父は負け犬の遠吠えだと笑うばかりだった。


 大きな笑い声を発しながら、俺たちは次の目的地へと向かう。

 片手には、カラカラとなり続ける風車が握られていた。


やっと次でこの会は終わりです(予定)

まさか次も三千字超えで二分割とかな、ないよね?


追記 終わんなかったわ (^ ^;;

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