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アリシアの告白

 アリシアの突然の告白に俺は頭が真っ白になる。


 目の前の彼女は火でも付いたかのように顔を熱くし恥ずかしそうにしている。


「えっと、本当なのか?」


「疑うならもう一度キスするわよ」


 思考が追い付かない俺の問いかけにアリシアはむっとする。


「違うわね、私がしたいからもう一回する」


 アリシアはそう言うとゆっくりと動くと俺に身体を寄せてきた。


「アリシ……ァ」


 再び唇が塞がれてしまい声が出せなくなる。


「ん、んっ、んぅ」


 俺の後頭部に手を伸ばし逃がさないように掴むと夢中でキスをしてきた。


 アリシアの瞳はトロンと蕩けており、まるで誘っているかのような色を含んでいる。


 しっとりとした唇がこすりつけられ、探るように伸びてきた舌が俺の唇をくすぐる。これ以上はまずいと思い唇を結んでいるのだが、アリシアは強情で何度も舌を伸ばしては俺の口を開かせようとしてくる。


「んっ」


 くすぐったさに耐えきれなかった俺はついに口を開く。すると、その隙を見逃すことなくアリシアは舌を侵入させてきた。


 俺の口の中でアリシアの舌が動く。何とか触れないようにと引っ込めるのだが、体制的に無理があり、舌の先端がアリシアの舌に触れた。


 ざらりとした感触と、熱い吐息が口に流れ込む。


 息継ぎの合間に途切れるように聞こえるアリシアの嬌声。密着するように身体を押し付けるせいで、アリシアの胸がつぶれ、柔らかくも暖かいそれと、一部の硬い部分が俺の胸に触れた。


「ん、んぅ、ん、んっ」


 夢中になっているのか息継ぎを忘れたのか徐々に苦しくなってきた。俺はアリシアに離れてもらおうと身体を押そうとするのだが……。


「ぁんっ!」


 伝わってきたのは極上の感触だった。押せば沈み込み、俺の右手を包み込む。俺は焦りを浮かべるとその手を放そうと動かすのだが……。


「やっ、え、エルト、だ、だめ……だから、あ」


 アリシアの艶やかな声が耳を通り、頭部を痺れが走る。

 目の前のアリシアの瞳は潤んでおり、唇は艶めかしく光っている。


 はだけた服からは肌が見えていてしっとりと湿っている。頬が上気しておりこれまで見たことがないアリシアの艶姿に俺の思考が停止しそうになる。


 俺はゴクリと喉をならし、アリシアから目を離せないでいると…………。



 ――コンコンコン――


「エルトいる? こっちの部屋に移ったって聞いてきたんだけど」


 ドアの外からセレナの声がした。




「城の人から聞いたけど、なんかすごいことになってるんだって?」


 セレナは入ってくるなり俺に向かってそう言う。その視線は俺ではなく隣にいるアリシアへと向かっていた。


「えっと、セレナ。紹介しておくよ。彼女はアリシア。俺の故郷の幼馴染みだ」


「は、初めまして。アリシアです」


 焦った様子で返事をするアリシア。先程の行為があとを引いているのか身体が火照っているらしく、熱そうだ。


「えっと、大丈夫? 熱でもありそうな感じだけど?」


 セレナも異変を感じ取ったのかアリシアに気遣いの言葉をかけている。


「う、うん。平気。気にしないで」


「そう?」


 顔を赤くするアリシアにセレナは首を傾げて疑わし気な視線を送るが、特にそれ以上突っ込むことはなかった。


「それでアリシア。こっちはエルフのセレナだ。俺が邪神を倒して森をさまよっていたところを助けてもらったんだ」


「実際のところ、ブラッディオーガに殺されそうになっているのをエルトが助けてくれたんだけどね」


 そこだけは譲れないのかセレナは説明を補足してアリシアに伝えた。


「そうだったんですか。エルトを助けて頂きありがとうございます」


 アリシアは深々と頭を下げるとセレナにお礼を言った。


「べ、別に。私が助けたかったからそうしただけだし。アリシアさんに御礼を言われるようなことじゃないわ」


 何やら気まずい雰囲気が流れる。

 そんな雰囲気の中、セレナはアリシアから視線を外すと……。


「それよりエルト。あんた邪神を倒したのって本当なわけ?」


 眉を寄せると俺に質問をぶつけてくるのだった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 規制的な意味でなろうから消えそうで怖いです。
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