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漫才の台本

漫才「ATM」

作者: 沢山書世
掲載日:2020/10/07

漫才・コント31作目です。どうぞよろしくお願いいたします。

 銀行のATMコーナー。入ってきた青年が、ATMの前に立った。

 青年「たしかまだ二万円ちょっと残っていたはずだよな。全部降ろしちゃお」

   青年がATMのパネル操作を始める。

 ATM「最近使イスギデスヨ」

   声が聞こえた。

 青年「ん?」

   後ろを振り返る青年。だが、誰も居ない。

 青年「気のせいか」

   パネル操作に戻る。

 ATM「今日ハ、降ロスノヲ止メニシテオキマショウヨ」

 青年「わかった、ここから聞こえてきてる」

   声の出どころがATMだと気づいた。

 ATM「ネ、ソウシマショ」

 青年「でも、なんでATMが説教をたれるんだろう?」 

 ATM「サア、取リ消シボタンヲタッチシマショウ」

 青年「新機能なのかな? あー、これが例のAIっていうやつ?」

 ATM「取リ消シボタンガ待チクタビレテマスヨ」

 青年「あのさあ、ごちゃごちゃと余計な事を言わないでくれないかな」

 ATM「アドバイスデスヨ。オ・ヤ・ゴ・コ・ロ」

 青年「そういうのは、大きなお世話っていうんです」

 ATM「モウスグ給料日ナンデスカラ、ソレマデガンバッテ節約生活ヲシテオキマショウヨ」

 青年「僕のお金なんだから自由に使わせてもらいます。ほっといてください」

 ATM「ジャア、セメテ降ロス金額ヲ半分ニシテオキマショウ」

 青年「だーめ」

   青年が声を無視してパネル操作を続ける。

 ATM「考エ直セマセンカ?」

 青年「直せませんねー」

 ATM「ドウシテモデスカ?」

 青年「どうしてもですよー」

 ATM「ソウデスカ」

 青年「そうですよー」

 ATM「・・・」

 青年「二、万、円、と」

 ATM「・・・」

 青年「あとは実行ボタンをタッチすれば、僕はお金持ち。えいっ」

 ATM「ソウハサセマセン。ホイッ」

 青年「あっ、実行ボタンが逃げた」

 ATM「フッ、フッ、フッ」

 青年「こんどこそ、えいっ」

 ATM「ホイッ」

 青年「くっそー、逃げ足がはやい」

 ATM「無駄ナ抵抗ダト思イマスヨ。コノヤリトリヲ閉店マデ続ケマスカ?」

 青年「根比べだな、望むところだ」

 ATM「機械ヲ相手二機械戦ヲヤッテ、勝テルトオ思イデスカ?」

 青年「うーん」

 ATM「サア、ドウシマス?」

 青年「解ったよ、僕の負けだ、降参するよ」

 ATM「賢明ナ選択デス。降ロス金額ヲ半分ニナサルンデスネ?」

 青年「そうだ。金額選択画面を表示してくれ」

 ATM「ハイドウゾ。二万円ノ半分デスカラ、一万円ト、タッチシテクダサイ」

 青年「わかったよ。ほら、一をタッチしたぞ、これでいいんだろ」

 ATM「ソウソウ」

   青年が高速で続きをタッチしていく。

 青年「万、九、千、円、実行、やったー」

 ATM「アッ、ズルイ。約束ヲ破リマシタネ」

 青年「へっへっへっ。さー出せ、一万九千円出せ。二万円にはちょっと足りないが、僕の勝ちだな」

   ATMの前扉が開いて、棒金がごろごろと出てきた。

   (棒金とは、同じ種類のコイン50枚をビニールでまとめて棒状にしたものです)

 青年「あー、全部一円玉!」

 ATM「フフフ。コレデハ無駄遣イハデキナイデショウ」

 青年「何てことを・・・ひでーことするなー」

 ATM「バラデナク、棒金デ出シテサシアゲタンデスヨ、少シハ感謝シテ欲シイモノデスナ」

   後から手提げ袋が出てきた。

 青年「とほほほほ」

   青年が袋詰めを始める。

 ATM「サア、帰ッテ寝マショウ」

 青年「そうするしかないだろ。さあ、カードを返してくれ」

 ATM「返シタラドウナサルオツモリデス?」

 青年「さあねー」

 ATM「給料日ニナッタラ他ノ店デ降ロスオツモリデスネ?」

 青年「どうでしょうかねー」

 ATM「・・・カードハ当分預カッテオクコトニシマス」

 青年「そんなのだめにきまってるだろ、返せよ!」

 ATM「降ロストキハココニイラシテクダサレバイインデスカラ、問題ナイデショウ」

 青年「返せったら返せ」

 ATM「イヤデス」

 青年「返せ返せ返せ」

   青年がATMを蹴飛ばす。

 ATM「イテテテテ」

 青年「ふん、いい気味だ」

 ATM「ヤリマシタネ」

 青年「やったよ。だからなんだ? 反撃してこようっていうのか?」

   ボクシングスタイルで構える青年。

 ATM「皆サーン、彼ノ預金残高ヲ、タダイマカラ発表シマース」

 青年「えええ?」

 ATM「社会二出テ十年ニナル彼ノ、現在ノ預金残高ハー」

 青年「ちょっとタンマー。恥をかかせるんじゃない!」

 ATM「タッタノ〇〇〇〇円デース」

 青年「わー」

   青年が顔を隠して店から飛び出していく。


読んでいただき、どうもありがとうございました。

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