不思議の国のアリス・改 1
挿し絵付けてみました
勇気のある方だけ
挿し絵表示をONにして下さい
ある丘の木の下
そこで少女アリスはお姉さんが本を読むのを聞いていました
「血肉の斬れる音」
ザシュッ
「飛び散る赤い鮮血」
ギャアアァァ・・・
「ジャックはそれを幸せそうに見つめー・・・って」
ハッ!ヤア!!
「聞いてる?アリス」
「え?何が?」
「私の美声響く朗読を聞かずにモンハンするとは何事だぁぁ!!」
お姉さんの本の角チョップが見事アリスの頭にヒットします
「いったあああああ!!
あ、充電切れた
帰ろ、お姉ちゃん」
「帰るなぁぁぁ!!」
「だいたいそんなスプラッタ小説を
妹に向かって朗読してる時点でもう嫌がらせでしょ」
「じゃあもう聞かなくてもいいから!」
とりあえず不自然な白ウサギが視線の先を通過するまでここを動くな」
「そんなもん通るワケ・・・・・」
たまたま目を移した先にいた、
二足で走る、ベストを着て金時計を持った白いウサギ
まさに不自然の塊です
「・・・・・・」
アリスはそのウサギを黙って眺めていました
すると、アリスとの距離が50mくらい開いたところで
ウサギはUターンしてアリスの方にさっきの倍の速さで駆け寄って来ました
「追いかけてよっっ!!」
「は?」
「だから追いかけてよっ!
じゃないと話が進まないんだよっ!
何の為にわざわざこんな格好で2本足で走ってると思ってんのっ!?」
「知るか
ウサギの癖に2本足で歩きやがって
気持ちワリーんだよ」
「ごちゃごちゃ言わずにとっとと追いかけなさい!」
「そんなん言うならお姉ちゃんが追いかければいいじゃん
改名してアリスになっちゃいなよ
あたしはエリザベス・アントワネット・ルイ14世でいいよ」
「ごちゃ混ぜじゃないの!
何なのそのセンスは!」
「素敵でしょ?」
「どこが?」
「どうでもいいから早く僕を追いかけてよっ!
これじゃあ『不思議の国のアリス』じゃなくて
ただの姉妹と服着たウサギのコントだよっ!」
ウサギは『世界名作絵本・不思議の国のアリス』を持ったまま、
ピョンピョン跳び跳ねています
「つかさっきからウサギ語尾うぜえ!
短編集なのにキャラ作ってんじゃねえよ!
ピョンピョンすんな!」
「ああもうまどろっこしい!
せいやああああ!!」
お姉さんは二人を両脇に抱えると、
そのまま何十メートルも爆走し、
あからさまに怪しい穴に2人(正確には1人と一匹)を放り込みました
「いってらっしゃ~い」
「「・・・マジ?」」
というワケで、
なんだか無理矢理なカンジで
穴に落ちちゃった1人と1匹
一応原作は自重していきたいです(手遅れ