とある世界の、とある国の、とある花の話
とある世界の、とある国の、とある花の話
私達の生きるこの世界とは違う、どこか遠く遠くの世界のお話。
どこか遠くの国にある、どこか遠くのお花畑に黒百合がいました。黒百合はとても美しい花を咲かせていましたが、心はとても沈んでいました。黒百合は観光客さん達の言葉に傷ついていたのです。なんでも、黒百合の花言葉は呪いなのだそうです。黒百合はとてもとても悲しみました。こんなに美しい花を咲かせたのにそんな目で見られるとは思っていなかったのです。
他の花達は、私を思って、幸運、約束、門出、ほのかな喜び、優しい思い出、思いやり、恋の喜び、どこでも成功、可憐、永続性、返礼、私の想いを受けてください、とても魅力的、晴れやかな魅力、光輝を放つ、優しさ、歓迎、決して離れない、恋に酔うなど素敵な花言葉を持っていました。
黒百合は一度だけ絶望しました。あれだけ綺麗に咲き誇っていたのが嘘のように萎れてしまいました。でも、諦めませんでした。もう一度考え直しました。こんなに美しい花を咲かせられるのは私だけ。他の花達にはない魅力がある。だから胸を張って咲き誇ってみせる!そう思い直した黒百合はまた元気に咲き誇りました。観光客さん達も、そんな黒百合の美しさにいつしか心を奪われていました。もう花言葉という色眼鏡に惑わされることはありません。みんなが黒百合を大好きになりました。こうして今日も黒百合は幸せに暮らしています。
最近なろうの詩に嵌っていて、本当は詩を書きたかったのですが何故か小説になるという。