47 コーヒーショップにて2
どうしよう弟の修に迷惑かけちゃう。
お父さんとだって今日はなんだかいい感じだったのに
家族に迷惑かけて失望させちゃうのかな。
「おい、大丈夫か。顔が真っ青だぞ」
沢渡さん珍しくちょっと心配顔。
「あっ、いえ、あの大丈夫です」
ついうっかり取り乱してしまった。
どんな画像か確認しなくては。
「あたしの画像ってどんなものが映ってたんですか」
「隠し撮りされたものだ」
拳を握り衝撃に備える。
「・・・何をやっているとことられてるんですか」
心臓がばくばくしている。
呼び出されたってことはやばいよね。
まさかこの間のパーティ・・
いや非合法なことはしてないよ。
意識的にはね。
それともあのパーティじたい非合法なの。
もうよくわからない。
「おちつけよ。現物みせるから」
沢渡さんが自身のスマホをタップする。
なんのことはない学校の昼休み風景だった。
茉奈や渚を弁当を食べているところ。
二人は後ろ姿で顔は映り込んではいない。
あたしのバストアップの正面写真。
スライドすると横顔。
最後の一枚は里沙と話しているものだった。
いずれも学校での昼休み一コマだ。
なんじゃこりゃ。
というかあたし学校でこんな気の抜けた顔しているのね。
この写真誰とく?
え?でもこれ沢渡さんのスマホだよね。
あたしの写真が入っている、って仕事用だよ。
やだな、自意識過剰すぎて恥ずかしい。
「おまえどうしたんだよ。今度は顔が真っ赤だぞ」
沢渡さん不審者を見る目になっている。
そこで我にかえった。
咳ばらいをひとつ、
気持ちを切り替える。
「なんだ。のどの調子でも悪いのか」
そこは突っ込まないでくださいよ。
また頬に朱に染まる。
やだな赤面症なの?
「大丈夫です。で、この写真がどうかしたんでしょうか」
どうにか態勢を立て直す。
「この写真の女を痛めつけろと言われたといっていた」
「え・・・」
「この写真をもっていたのは、前に町口駅の国道付近であんたを
連れさろうとしてたやつだ」
恐怖で手が震えそうになった。
でもいまのあたしには寄る辺がない。




