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33 図書委員会をまじめにやっていたら・・・

昼休み図書室の受付カウンターに座る。

今日は本を借りにくる人も少ない。


横では同じ図書委員で3組の岸和田真鈴が携帯を

ポチポチといじっている。

わたしも今日出た英語の宿題やっちゃおっかな。


「ここんとこずっとまじめだね。ヒナ」


「ん、最近よく言われる。

どうもあたし6月から様子がへんらしいの。

物忘れがひどいって」


「それな、うけるんですけど」


え?どこかおかしい部分ありましたかね。

JKのこういう反応いまはひとつわからない。


彼女とはビブリオバトルが縁でよく話すようになった。

図書委員全員が校内予選をうけることになっていて、

わたしはあろうことかそれを前日に知った。


それまでろくに本を読んだことはないが選んだのは「フランダーズの犬」。

熱弁をふるって紹介してしまい皆の失笑をかってしまった。

という新たに刻まれた黒歴史。


いまだに思い出すと恥ずかしい。穴があったら入りたい。


それ以来よく話すようになった。


「今日暇じゃね」


「だよね。あたし英語の宿題やっちゃいたい」


「おっけー、受付はあたしに任しといてよ」


「いや、ほとんど人こないないし」


「その代わりに放課後つきあってよ。スタバおごるから」


勝手にサクサク話を進められた。



結局、学校で人に聞かれたくないからと真鈴に家に誘われた。

例の団地だったので行くことにした。


家にお邪魔すると

ご家族は働いていて、家には今真鈴しかいないという。

途中で買ったジュースやポテトを食べながら

しばらく二人でゲームをした。


すると真鈴が切り出した。

「警察が学校に来てるって噂知ってる?」


「そのお巡りさん知ってます」とも言えず「ああ、そうらしいね」

などと言葉を濁す。


「実はあたし警察に話聞かれたんだ」


なんですと。里沙のグループには入ってなかったよね。


「ヒナ、ここの団地であった事件知ってるよね」


「うーんともしかして転落事故のことかな。

団地名までは知らなかったけど。ここってこと?」


警戒して少し嘘をついた。

この間金井君に調べてもらったからバリバリ知っているし、

この土日にこの団地に赴いて突撃取材を敢行しようとしていたところ。


「由奈とは中学が一緒でこの近所に住んでいるんだけど。

その噂ちょっと広めちゃって、里沙たちににらまれたんだよね」


「噂を広めたって誰に」

わたし達以外にもはなしたのだろうか。


「委員会とか部活とか」

話がまだ見えない。


「で?」

先を促す


「そのさ。転落事故があったのが、三号棟でここの団地のこのたまり場なんだよね。

っていうか、それ団地以外の近所の悪い奴らもくるんだけどね」


そういえばこの団地は私が昔住んでいたアパートから二駅先の場所にある。

とても近い、この間あたしを行動に突き飛ばした子たちもここに住んでいるかもしれない。

少し怖くなった。


真鈴の家は3階にあるがエレベーターは汚く臭く吐しゃ物のにおいがした。

窓のサッシにはカラスではなくビニールがはってある家もあり

団地の廊下にたばこの吸い殻やゴミが散らばっていた。

全体的に荒れてうらぶれた印象がある

金井君がこの辺りを治安が悪いと言っていたのを思い出す。

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終電のその後で……」ぜひ、こちらも!!
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