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30 日常 すこし前進?

結局山田先生に「くだらないこと行ってないでさっさと帰れ」と

言われ一人で帰ることに。


せっかく一大決心をしたというのに。



「で、何か俺に用があったのか?」


やっぱり来たかと思った。

この人は勘がいい。

駅から家へ歩いている途中声をかけられた。

わたしと接触しているところを

学校関係者にみられたくなかったのだろう。


「沢渡さんが警察官とわかれば情報提供するまでです」


「ならどこかで話を聞こう」


「わたしのうちに来てください」


「未成年で独り暮らしの女子高生の部屋に行けるわけないだろ」


意外に強い口調。

沢渡さんイラついてるのかな。


「面倒くさいんですね。まあいいや。渡すの写真だけなんで

外で待っててください」


沢渡さんが呆れたように警察官だからって安心して家にいれるとか

防犯意識が低過ぎるといった。

それは警察官を信用するなということだろうか。


「そういえば、この間なんで高校生ぼこしてにげたんですか?」


「ああ、あの町には住んでいるだけで管轄が違うんだ。


というかぼこしたとかいうな。人聞きの悪い」


「つまり、管轄外の場所で捜査していたってことですね」


「どうしてそうなる?」


「なにか聞き出そうとしてたじゃないですか」



マンションの前に来た。

自分の部屋を見上げると明りが付いていた。


「あれ、電気がついている。やだ、なんで」


「誰かきてるんだろう?」


「誰かって・・・だれも来ませんよ。あたし家族から

嫌われてるから」


「そんな悲しいことをさらっと・・・。

いや、身から出た錆か。

母親が掃除しに来たりしないのか?」


来たりしてたら、あの汚部屋はありえない。

ってかあなたもさらっとひどいこと言ってますよ。


「ちょっとドアの前まで来てもらえます」


沢渡さんはかなり嫌がりつつ

ついてきてくれた。

本当にこの人警察官なのかな。

山田先生の言葉じゃなかったら、警察手帳見せられても信じられない。


鍵のかかったドアを開ける。

玄関に男物の靴がキチンと揃えてあった。

このお行儀のよさはひょとして・・。


「あれ、もしかして、修きてる」


弟がひょっこり玄関に顔をのぞかせた。


「ねえさん、またこんな遅くに・・・。


って、その男誰?


まさか姉さんここに男連れ込むために汚部屋を掃除したの」


修一の瞳に怒りがうかんだ。


「だから俺は嫌だといったんだ」


後ろで沢渡さんが心底面倒くさそうにしている。

ごめんなさい。合掌。



修はわたしの部屋のカギをもっていたらしい。

この間は汚部屋に入りたくなくて外で待っていたとのこと、


今日は前来たとき忘れたものを取りにきてたらしい。

結局、何やかやで信用の無いわたしではなく

クレバーかつ警察官である沢渡さんが弟をなんとか宥める

というかいいくるめることに成功。


3人分のコーヒーをいれ、やっとパソコンを起動した。


弟は不貞腐れ気味でこちらに背を向けテレビをみている。

賢いといってもまだ中学生だ。

もちろん、わたしより賢いことは確かだけれど。


画像を開くと沢渡さんが横に来た。


「ここにこの間、わたしを突き飛ばした子たちがいます」


それは集合写真里沙も高山君も映っている。

どこか室内を貸し切ってパーティーをしている写真。

もちろん調子に乗ってたばこ吸いながら酒を飲んでいる

ヒナの画像もある。露出がおおくて派手な格好。

本当にバカなことしてくれたわね。


修ごめんね、姉さん警察のお世話になるから。


「これについての説明は?」


「あるわけないでしょ。覚えてないんだから」


今更心証が悪くなるもないので開き直った。


「どうせ何かで読んだんだろう。心神耗弱とか」


あたしはそれには取り合わず


「で、このパソコンごともっていきますか?

あたしの方としては調べたいこともあるので、

できればメモリに落としてってほしんですけど」


「そうさせてもらう」


どうやらすぐには警察に連れて行かれないようだ。

未成年だからいろいろあるのだろうか、そこらへんはわからない。

気づくと修が胡乱げな目で沢渡さんをみていた。


弟に晩ごはん食べていくかきいていたら、


「安心しろ。もう遅いから俺が駅まで送っていく」と


いって弟を無理やり連れて帰ってしまった。

ほんとなんなの。


そういえばお茶請け出し忘れてた。


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終電のその後で……」ぜひ、こちらも!!
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