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楽しいのかな、高校生活

ここ最近、顔のお手入れに余念がない。だってヒナったら眉毛そっちゃてるし・・・最近はえてきたからいいものの最初はどうしようかと思ったよ。そのうえ不規則かつお菓子を食事代わりに食べていたようで肌のダメージがひどい。本当に10代のお肌とは思えない。などとつらつら考えながら廊下で歩いていると、高校生の子供ども達がうるさい。


「ここは動物園なのか?すこしはじっとしなさいよ」


気づいたらそんな独り言をぶつぶつと呟きながら歩いていた。危ない子だ。そんな休み時間の喧騒のなか、ふと後ろから肩を叩かれた。鬱陶し気に振り返ると、担任の山田がいた。


「なんですか」


やばい、学校の先生が若く見る。


「佐伯、さっきから名前よんでるだろ」


そこで気づくそうだわたしは佐伯ヒナ。この子結構名前はかわいいのよね。


「あ~なんだかボーっとしちゃって」


とりあえずこんな感じでごまかす今日この頃。最近成績は上がっているのに授業中ボーっとしてい返事もしないなどお小言をくらった。


「まるで人が変わったようだな」


ぽつりともらし締めくくった。さすが担任鋭いな。本当に中身が変わっていたりする。



こっちで初めて目覚めたのは学校の保健室だった。風邪をおして無理して学校にでてきて校庭で倒れたらしい。目が覚めた瞬間、化粧した女子高生と目が合った。


誰この子?

ここキャバクラ?


彼女は「ちょーうける」などとのたまわり、爆笑しつつ、ことのあらましをおしえてくれた。その日、サッカー部の試合があって、ヒナの好きな男子がでていたので無理をおして見に行ったらしい。

ほんと、なにがおかしいのかしらん。友人が熱に倒れたっていうのに。ヒナちゃん健気じゃない。というか、しょうもないテンプレ青春、恥ずかしい。ちなみにその男子、高山なにがしと言って、

ヒナはまったく相手にされていない模様、どんまい。


やはりわたしにはスミカスミレのような展開はおきないのだろう。あれおかしいな?高校生からやり直したらもっと楽しい青春送れると思っていたのに・・・とか別に期待してイマセンデシタヨ。だいたいアラサーから見たら、高校生男子は子供・・・。ときめくわけない。体は若返っても心はおばちゃんなのね。


 わたしどんな都合の良い妄想をしてたのだろうか。やっぱ、魔法少女か魔法剣士がよかった・・・・。いや人化できるならスライムでも。などとパニックのせいか?アホなこと考えていたが、その後が大変だった。


自分の家がわからなかったり、友達の名前がわからなかったりで熱による混乱からのプチ記憶障害ということになった。なにせ親の顔も覚えてませんから。というか知らないし。


そして!そのような状況にもかかわらず親が迎えに来ないという状況。

なに、ヒナっち訳ありなの?


それでもまだ住むところがあるというのはありがたかった。なんとワンルームマンション、前世より外観はよい。やっぱりこういう展開がないと。わくわくしながらエントランスを抜けてエレベーターホールへ。なんなら熱があるのにスキップする勢い。

 

だがしかし、開けると汚部屋だった。


スナック菓子の袋と洋服が散乱。てか、何かふんじゃったよ。ヌルっとしたもの!しかも食べものの腐ったにおいと化粧品のにおいと・・・あれ煙草じゃね。


もう、何なのこの子。まじ何なの。


とりあえず、熱のある体で、ゴミだけまとめ就寝スペースを作る。改めてスマホを確認してみる。


「!」


3年たっていた。あまりの衝撃にそのことは速攻棚上げにして、SNS関係を確認してみる。


「やだこの子!悪口つぶやいてる。」


なにこれ前世の報いなの?わたし何かした?ってか削除だ削除!いや待てよ。落ちつけわたし。これで彼女の人間関係がわかるかも。が、読むに堪えないものだった。ぷうさんたら、ユーモラスなあだ名から想像できないほどブラック。やっぱこのアカウント削除っと。


もういい、わたしはプチ記憶喪失で通す。


大丈夫かなこの子、恨まれて刺されたりしないよね。その後、熱のため学校を金曜までの3日間休み、土日を部屋の片づけをしてすごした。かくして昼休みに転生系の小説を読んで現実逃避をする高校生活が始まった。


楽しいわけがないだろ高校生活!

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終電のその後で……」ぜひ、こちらも!!
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