24.学園日常とまとめらしきもの
ズズ・・・ズズズッ。
掃除当番の今日、重いゴミ袋をひずっている。何故クラスのみなさんは捨てるのを面倒くさがるのでしょうかね。これ文化祭で出たごみではないのでしょうか?階段下まで、クラス委員の滝川君が一緒に運んでくれていたのだが、委員会に呼ばれていってしまった。彼もいろいろと忙しい。
仕方なく一人で校舎裏の集積場へ引きずっていると、ふっとゴミ袋が軽くなった。目を上げると、おやおや金井君ではないですか。
「ヒナさんが廊下の窓から見えたから」
といって手伝ってくれる。
「ありがと」
ゴミを捨て終わって校舎に戻ろうとしたとき、かすかな人の声とくぐもったような笑い声が聞こえてきた。校舎の奥の方の空き教室からだな。これは・・・カップルがいちゃついているのかな。
金井君をみると気まずそうな顔をしている。そうこうするうちにカップルが外に出て、こちらに向かってくる足音が聞こえた。彼らと顔を合わせたくないと思い横をみると金井君がいない。いつの間にか彼は茂みに隠れていた。ちょっと一人にしないでよ。結局一緒に隠れることにした。でてきたのは・・・。高山君と教育実習生の日向真由先生だった。しばし呆然と見ていると
「うううっ・・ぼく真由先生好きだったのに」
隣で金井君が肩をがっくりと落としている。
「それは・・・・残念だったね」
なるほど、前世のヒナがどうだったか想像がつく、金井君が将来女性に騙されないことを祈る。合掌。床にクッションを置きストーブを点ける。ポットからマグカップにとぽとぽと紅茶を注ぐ。ダージリンの良い香りただよう。少し冷え込んできた夜にはぴったりだ。今夜は色々整理しようと思う。
ひっかかりのある部分から。まず団地の転落事故の件。
1 由奈から女子中学生が転落した事件を聞く。
2 由奈が里沙と仲間からその話をしないように脅しをうける。
3 ヒナからも警察が話を聞きたがっている。
2についてはわたしも里沙から忠告をうけた。
3については里沙のいやがらせかなという気がする。
しかし、この一連のことから、高山君を中心とするグループが、この事件になんらかの関係を持っていることは確かだと考えられる。
次は気になっていること。
4 付近でここ数年転落事故が続いていること。
5 ヒナことわたしが公道に突き飛ばされたこと
4については前世のわたしマンホールに落ちてるし、マンホールの蓋が、なぜ開いていたのか疑問。5は無作為に突き飛ばされたが、その後わたしと会話した彼らが、わたしの顔をしっていたこと。そして拉致されそうになったこと。
最期に日向先生と高山君の関係。教育実習にきたばかりであそこまで親しくなることは多分ないだろう。そうだとすると以前から交際があったと考えるほうが納得がいく。これから先も何か事件が起きそうで嫌な予感がした。むしろ嫌な予感しかしないな。結局整理しようとしたが列挙しただけで終わった。
まあ、まだ足りないパーツがあるというとこで。考えることにも飽きたし、帰りにお気に入りのケーキ屋で買ったフルーツタルトを堪能することにした。




