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20 学園日常・・・?

深夜自宅で、カチカチとマウスを動かす。切り替わるパソコンの画像。あたしは今、ヒナの撮りためた画像を見ている。一つの画像に目が留まった。何かのパーティの写真・・・この間、国道沿いでヒナを道路につき飛ばそうとした男子グループのうち、リーダー格と思われる二人が映りこんでいた。

 



 学校に警察が来ているという噂を小耳にはさんだ。度々続く転落事故のことだろうか。1週間ほど前、近隣の私立高校の女子高生が道路に飛び出し、トラックに轢かれ重体というニュースがあった。学校ではいろいろな憶測が飛び交っている。飛び込み自殺という者もいれば、突き飛ばされたというものもいる。だが、本当のところは分からない。ただの事故だったのかも。


この件だろうか・・。


  放課後、図書室で読書を楽しんでいると学校きっての優等生、滝川委員長に「ちょっと」と手招きされた。なんだろう。ゴミ捨ての手伝いか、それとも誰かが掃除当番がサボって、あたしがその代りにとか。


 むむ、最近便利に使われているきがする。

ナイスガイだとはおもうのだが・・・。


すると隣で英語の補習の課題をうんうん唸りながら、やっていた茉奈が意味ありげな含み笑いでいう。


「告白じゃん?あれこくってくるよ。どうするよ。ふふふ」


目がらんらんと輝いている。ほんと恋バナ好きだね、この子。


「ありえねえし、どうもしねえ」


パコンと一発はたいておいた。まったく勉強に集中してくださいよ。赤点崖っぷちなのですから。

ってかなんで読書中のわたしに単語の意味とか、熟語の意味きいてくるのですか、まったく。おかげで課題を手伝うはめに。は!こいつにも便利に使われている。


滝川委員長と一緒に図書室をでると3階の東廊下に連れていかれた。ここは空き教室が多く、生徒も先生もあまり来ない。これはよくない知らせだな。人に聞かれたくないわけだし。


「なに?どうしたの」

「最近、警察がこの学校にきてるって、知ってる?」

「それって噂じゃないの?ほんとにきてるの?」


あたしは一応確認してみる。


「本当だよ。何人か応接室に呼ばれて話をきかれてる」


少し不安になる。


「なんで警察が?なに聞かれてるの?」

「さあ、そこまではわからない」

「滝川君はよばれてないんだよね」

「うん、呼ばれてるのは、高山のグループのやつらだ」

「グループって・・・里沙とか?」

「そ、あそこらへんの派手な連中」


何の話を聞かれているのだろうか。昨晩見つけた画像ファイルのことが頭に浮かんだ。飲酒・喫煙なんでもありの・・危険なパーティー。


「あの子たち何かやったの?」


といったら、彼は呆れた様に。


「佐伯もあのグループにいただろう。何か知ってるとしたらおまえのほうじゃないか」」

「・・・ああ、そう・・・だよねえ。きっと」


あのきらびやかな(派手で遊んでそう)お仲間の中ににいたのね、わたし。記憶にはないけれど。

ヒナの残した画像でうすうすそんな気が・・・ってかヒナも映ってたし。もしかしてあのグループに入りたくて、里沙の周りをうろついてただけなのかな、なんて思いたかったのだけれど。ばっちり所属してましたか。


「本当に覚えてないんだな・・・。ん?でもスマホに写真とか残ってないの?」


いつになく突っ込んでくる。


「スマホの画像は・・・間違って削除しちゃった」


ほんとはあまりのショックでよく見もしないで削除してしまった。人の悪口がぎっしりとかないわ。


「ふーん、そうなんだ・・。佐伯もそのうちよばれるかもな」

「うん、そだね。じゃあ、心の準備しとく」

「なにか力になれそうなら、いって」


今年の6月以前のヒナがしりたいです。わりと切実に。とは言えないな。


「ご忠告どうも。委員長」


とだけいって別れた。滝川君の話をきいた後、悶々とした。まじでどうする。そうだ、金井君にでもヒナのこと聞いてみるか。しかし、彼もわたしとのことからかれたようなので、今はやめておこう。


いっそ警察によばれたとき、あの写真を提出してしまうか。高山くん、里沙、わたし一蓮托生で。映っていた他高生も巻き添えだな。ってなわけにはいかないよね。それに、わたしはあの画像について何も説明ができない。


ヒナの犯した過ちをいつかわたしが償うのか・・・。




その日の放課後、わたしは山田先生に呼ばれた。6月以降続いてるいつもの個人面談だよね?職員室で「最近はどうだ」とか「困ってることはないか」などといつも通りの個人面談の後


「ここ最近、警察がきているのはしってるか?」


と聞かれた。うなづくと


「実は佐伯からも事情をききたいと言われたんだが、

お前の今の状況を話して断った」

やっぱり、わたし呼ばれていたんだ。


山田先生ナイス。


「ありがとうございます。あの、それで、あたし何のことでよばれたんですか」

「呼ばれた生徒の口からお前の名前がでたらしい」


先生はちょっと言葉を濁して


「夏にあった団地のでの中学生の転落事故のことだ」


と小声で付け加えた。


「え?なんで!」


わたしはガタンと椅子を立った。由奈から聞いてはじめ知った事件だ。


「まあ、落ちつけ」


そう、ここは職員室。他の先生や生徒の注目をあびてしまった。その後先生から他言無用と念押しされた。


いやな予感ひしひし。

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終電のその後で……」ぜひ、こちらも!!
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