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3-15

 冒険者ギルドの中は、簡素な市役所のようだった。


 受付があって、五人ほどが書類に向かっていて、もう五人ほどが受付の窓口対応をしていた。


 建物の広さのわりに事務系の仕事に従事している者が少ないのは、後で理由がわかったことなのだが、建物内に酒場が併設されているからである。


 酒場は、冒険者たちの交流と情報の収集と交換の役割を担っているのだ。


 ギルド全体の雰囲気は、一言で言ってしまえば、整然というよりも雑然である。


 すっきりというよりもごちゃっとしているし、デパートのおしゃれな中華やイタリアンの飲食店というよりもファミレスやファーストフード店のノリだ。 


 来ているほとんどの人間は、冒険者かそれに関係のある者だろう。


 目つきの鋭かったり腕っぷしが強そうだったりと、街の人々にはない独特の空気を肌で感じた。


(さすがは、冒険者ギルド)


 俺は、自然と居ずまいを正していた。


「少し緊張するな……」


 俺は、正直にイフに言った。


 こういう時は背伸びをしてやせ我慢をせずに、自分の感情を吐露(とろ)したほうがいい。


「大丈夫ですよ」


 と、イフは、笑った。


「私も、一番最初にきた時はものすごく緊張しました。ソラなら、すぐに慣れます」


 裏付けの欠片もない一言で、俺は、説明された。


「そう言ってくれるのはありがたいんだが、その信頼の厚さは、どこからくるのかね」


「さあ? 何となくそんな気がしたものですから」


 と、イフは、天井を何気なく見つめながらそう言った。

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