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3-14

 俺は、この自分自身の状態を把握して、苦笑した。


郷愁(きょうしゅう)……ってやつか)


 異郷(いきょう)のさびしさから故郷に寄せる思い、ノスタルジアとは、不思議なものだ。


 俺は、トラックに撥ねられて死んで、この異世界に転生した。


 俺は、スーパーに買い物に行っていた世界ではすでに死んだ存在なのだ。


 女神エストにも(さと)されたし、俺自身でも理解もして、結構わりきっているつもりだった。


(でも、結局は……つもりだった、ってことか)


 と、俺は、思った。 


 俺は、無理やり目をつむった。


 視界が閉ざされた暗がりの中、港の笑顔が少しずつゆるやかに薄まりやがて消えていった。


「……ラ」


(港……)


「ソラ?」


 イフの幼い声がした。


「どうかしましたか?」


 イフの気にかける言葉に、俺は、現実に引き戻された。


 どうやら、意外と長い時間考え込んでしまったようだった。


「……いや、なんでもない」


 俺は、短く言った。


 俺とイフは、冒険者ギルドの建物の中に入っていった。

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