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3-12

 指定される場所や期間によって難易度は変わるだろうから、一概(いちがい)にどのクエストが一番危険であるとかもっとも容易であるとかは言えないだろう。


 ましてや俺は冒険者としては、ずぶの素人(しろうと)同然なのだから、よく考えてクエストを選んだほうがよさそうである。


 イフは、俺と横並びに歩きながら、


「ギルドの建物の中に掲示板が設置されていて、募集中のクエストが掲示されています。後で一緒に見てみましょう」


 と、言った。


 俺は、わかったと頷いた。

 

 くわえて、どのタイプのクエストにも共通しているのは、クエストを達成した際には難易度に応じた報酬と階級(ランク)ポイントが得られるという点だ。


 階級(ランク)ポイントは、冒険者ギルドの制度に関わるもので、冒険者はその実力と実績に応じて、十九の階級(ランク)に分けられるらしい。


 分け方は、理解がしやすく、AからFまでの六段階があり、Aのほうに寄るほど高い階級である。


 さらに、各段階は、シングル・ダブル・トリプルと三つに細分化される。


 Fの段階で言えば、(エフ)FF(ダブルエフ)FFF(トリプルエフ)階級(ランク)が上がっていく具合だ。


 トリプルの次は、次の上位のアルファベットの段階に移行する。


 FFF(トリプルエフ)の一つ上は、(イー)というわけだ。


 そして、階級(ランク)を上げていくには、クエストの達成で得られる階級(ランク)ポイントの蓄積という実績と、それにふさわしい冒険者自身の実力が求められる、という仕組みだ。


 安全性に配慮してだろう、低階級(ランク)の冒険者は低難易度のクエストしか受けられない。


(まあ、そうだろうな)


 と、俺は、思った。


 全国模試で中の下の成績の者が、一流の学校の最難関試験に(のぞ)むとすれば、それは蛮勇(ばんゆう)にすぎず褒められたものではない。


 蛮勇とは、事の理非や是非を考えずに発揮する勇気向こう見ずの勇気をいう。


 そんな勇気は、試練という壁の前ではおそらく無力だ。

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