3-9 ※挿絵ありです
(目のやり場に困る)
と、俺は、思った。
それが、俺の結論だった。
俺は、目を逸らそうとした。
そんな俺の不自然な動きに、イフは、不安げに目を細めた。
「ソラ、どうして目を逸らすのですか?……もし、まだ何かあるようでしたら、遠慮なく言ってください。何事もはじめが大切なのは、わかっているつもりです」
と、イフは、言った。
そよ風が吹いて、ワンピースがふわりと揺れて、イフの二つの小さな丘のてっぺんが見えそうになった。
(……逸らさなきゃ問題あるでしょうううううううっ!)
俺は、心中もがきかつツッコんでいた。
イフは、少し気落ちした調子で、
「もし……私とパーティーを組むことに、まだ気持ちが揺れているのでしたら……」
ワンピースが、再び風に揺られた。
(……揺れているのは、気持ちじゃなくて、服のほうだよおおおおおおっ!)
俺は、心中咳き込みツッコんでいた。
「……でも。勝手な言い分ですし夢物語と笑われるかもしれませんが、私は、錬金術師の頂点を見つめながら、いつかそこに辿りつきたいんです」
イフが真摯な思いを伝えてきてくれるなか、そよ風さんはなぜこうも仕事熱心なのか、いよいよワンピースとイフの肌との間に大きな空間を作り出そうとしていた。
(……頂点というか、ぽっちが、見えそうになっているだよおおおおおおおおっ!)
てんやわんやというかむちゃくちゃである。
俺の感情パロメーターは、乱高下を繰り返していた。





