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3-3

「調達?」


 と、俺は、聞いた。


 オウム返しに聞いた俺に、アカリは、頷いて、


「うん。ちょっと普通の人だと入りにくい山とか丘とか森に自生しているお花や草を採ってきたりするんだって。この系統のクエストだと、モンスターとの遭遇率もぐんと下がるから、討伐クエストよりも安全だって」


 俺は、感心して、


「詳しいな」


 アカリが言っているのは、指定された素材やアイテムを指定された個数だけ集めてくるタイプのクエストのようである。


 素材やアイテムを回収する場所しだいでは、例えばモンスターの出現地域とあまり被らない場合などは、確かに、危険度はぐんと下がりそうだ。


「この(あいだ)泊まった冒険者のお客さんから聞いただけだよ」


 アカリが、三つ編みを揺らしながら、言った。


 冒険者ギルドに行く前に、貴重な情報を得られた。


 クエストを選ぶ際の選択肢は多いにこしたことはない。


「ソラ君。これ持っていって」


 アカリが差し出したのは、パンである。


 昨日の朝持たせてくれたパンはバケットに似ているものだったが、今日のパンはブールに似ていた。


 ボール状のフランスパンのようで、表面にはクロスした切れ目が入っている。


「悪いな。ありがとう」


「ちょっと多めに焼いちゃった分だし、気にしないで。お腹がすいた時に食べてね」


 と、アカリが、明るく言った。


 俺は、アカリに礼を言って、銀月亭(ぎんつきてい)を後にした。

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