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今のやり取りに、何か不手際があったのだろか。
「私がちゃんとソラ君の名前を呼んでいるのに、ソラ君、私の名前呼んでくれていない」
「アカリ、おはよう」
俺は、挨拶しなおした。
鉄は熱いうちに打て、すぐやる課である。
アカリは、満足そうによろしいと頷いた。
「今日は、どうするの? 武器屋は……うまくいかなかったんでしょう?」
「今日は、冒険者ギルドに行こうと思っているんだ」
「やっぱり、ソラ君って冒険者だったんだ?」
「違うよ。これから、なろうとしている素人だ」
と、俺は、言った。
「ギルドって、色々なクエストを受けるんだよね?」
「そうらしいな」
「モンスター討伐のクエストとか危ないよ……ソラ君なら、何とかなっちゃうのかもしれないけれど……」
と、アカリは、心配そうに言った。
アカリの心配はもっともで、俺自身にも不安がある。
モンスターについては伝聞のみが今の俺の知識で、実際に遭遇したことはないからだ。
「そうだ」
と、アカリは、思い出したように言った。
「ギルドのお仕事なんだけれども、調達のクエストとかもあるらしいよ」





