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2-48

 老人の家での薬草づくりの後、イフと俺は、他の家に三軒ほど立ち寄った。


 いずれも、薬草づくりのためである。


「コバオオの葉が新鮮なうちのほうが、いい薬がつくれるんです。みなさんの家を今日中に(まわ)れて、よかった」


 と、歩きながら、イフは、満足そうに言った。


「ソラさん。つきあっていただいて、ありがとうございました」


「俺は、ただ君についていっただけだよ」


 丁寧な言葉づかいもあって、第一印象では正直、生真面目すぎてややもすればクールというか無機質な印象もあったのだが、それらとはまったく異なる一面を垣間見れたような気がした。


 第一印象が大事とはよく言われるし金言(きんげん)なのだろうが、大事ではあってもそれがすべてではないように思えた。


 空は、夕闇に覆われはじめていた。


「俺に、頼みたいことっていうのは、何?」


 と、俺は、聞いた。


 イフは、口を一文字に結んでしばらく黙っていたが、やがて意を決したように言った。


「私のパートナーになってください」


 そう言ってから、イフは、自身の発言の瑕疵(かし)を見つけたのか、慌ててぶんぶんと両手を振った。


「……ご、誤解があるといけませんのでっ! もう少しわかりやすく説明します」


 と、イフは、つっかえながら言った。


「パートナーと言うのは、私と冒険者のパーティーを組んでもらって、パーティーのメンバーになってもらいたいのです。二人のパーティーですので、パートナーというわけです」


 イブが慌てていた意味が、わかった。


 イブが言っているのはビジネスパートナー的な意味のパートナーであって、俺がいわゆる仲のいい関係的な意味のパートナーと勘違いしてしまうのではと、イフは、心配したのだろう。


 イフは、俺の目をじっと見た。

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