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「いつも悪いねえ」


「そんなことないですよ」


 と、イフは、柔らかくほほえんだ。


(こんな表情(かお)もできるんだな)


 と、俺は、思った。


 イフのその笑顔は、年相応というかとても自然で可愛らしかった。


 台所に移動したイフは、乳鉢と乳棒を取り出して、


「えっと……リユの花と、コバオオの葉、それと、ラバのトゲを細かく砕いたものと、一緒にすりつぶして……」


 イフは、丁寧に、花や草を乳棒ですっている。


 イフの後ろ姿は、短めのワンピースがふわふわ揺れていて細い白いふとももより上が見えそうになりそうで見えない絶妙な絶対領域ぶりだが、やましい気持ちはこれっぽっちもないのだが、はたから眺めていると、薬草作りのようだ。


 イフが台所で作業をしている間、俺は、老人にお茶を勧められた。


 礼を述べて、お茶をいただくことになった。


「美味しいですね」


 俺の率直な感想だった。


「そうじゃろう?」


 老人は、少し声のトーンを下げて、


「……いい子じゃろう?」


 と、言った。


「ご覧の通り、わしの家は、そんなに裕福というわけではない。しかも、寄る年波には勝てんものだから、身体にも色々とガタがきておる。あの子は、家々を回って、ああして薬を作ってくれているんじゃよ」


 一定間隔の乳棒の静かな音が、響いてきた。

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