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「失礼した」


 老人は、神妙な面持ちで言った。


「わしとしたことがとんだ早とちりをしてしまったようじゃ」


 どこをどう間違えれば、そのような早とちりになるというのだろうか。


「生き別れて数年ぶりに再会した兄妹(きょうだい)だが血は繋がっておらず淡い恋愛感情を(いだ)き合う関係、じゃったか」


 これに対して、俺とイフとで、


「そんなわけあるかい!」「そんなわけあるかい!」


 と、叫んでいた。


 串揚げの二度づけは禁止であるのと同様、不毛なネタの二度がけは諸刃の剣、しかもどれだけ無理やりな設定をどんぶりのせしているのか。


 俺とイフは、精神力を削りながらそれでもハモっていた。


「……違うのか。わしの勘も、(にぶ)ったものよのう。年も離れているようじゃから、てっきり」


 老人は表情を曇らせたが、いかにも俺たちに非があるような調子で語るのはやめてもらいたいところだ。


 老人は、はっとした表情で、


「そうか。単なるロリ○ンじゃったか……!」


「「いいかげんにしろや!」」


 俺とイフは、叫んでいた。 


 完璧にハモっていたのが、イフの言葉づかいにお行儀の問題がありそうな気もしたがスルーである、スルーせざるをえないほどに、俺たちは疲弊していた。


「まあ入りなさい」


 老人は、家に招じ入れてくれた。


 家の中に一歩お邪魔するのにこれほどまでにハードルが高いかつ理不尽で荒唐無稽なフラグが立ちまくった訪問は、これがはじめてである。

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