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 俺は、腑に落ちた。


 その感覚はよくわかる。


 昔、調子にのって自転車を結構スピードを出してこいでいてこけた経験がある。


 ゲームセンターに新作の格闘ゲームが稼働したので、早速プレイすべく道を急いでいたのだが、前方に人影が現れた際に、スピードの出し過ぎでうまくブレーキがかけられなかったのだ。


 俺は、自転車ごと転倒した。


 随分と派手なこけっぷりで、結果として自転車のタイヤは交換になるしカゴはぐにゃりと(いびつ)に変形してしまうしお気に入りのギアも壊れてしまうしと散々だったのだが、傷などの外傷はさいわい擦り傷程度だった。


 擦り傷程度だったのだが、打撲はあって、当たり前だがかなり痛かった。


 痛かったというよりも気持ち悪くなってしまったというほうが適切だろう、とにかく、起き上がれないのである。


 転倒した直後に、立ちくらみのように目の前が何も見えなくなり同時に吐き気に襲われて立ち上がることもできず、数分経過してやっと症状がおさまった。


(イフも、そんな感じだったのかもな)


 と、俺は、思った。


「それに、あの時所持していた魔法瓶は、あれ一つでした」


「魔法瓶?」


 俺は、オウム返しに聞いた。


 魔法瓶と言えば保温機能を持った食卓用の液体つぎを連想してしまう、保温性の高い容器の構造になっていて中に入れたものを長時間にわたり保温できるあの瓶である。


「冒険者のあなたなら、知っているのではないですか?魔法使いでない者が、疑似的に魔法を使えるよう、錬金工学により生成した魔法を閉じ込めた瓶……のことですが……」


 イフは、不思議そうな顔をしていた。


 イフの言いかたから推測するに、魔法瓶というワードは一般的なもので、その性質も冒険者などの一定層には広く知れわたっていると考えられた。


「いや。俺は、冒険者じゃないんだ。でも、魔法瓶って言うんだな、あれ。よくわかった、ありがとう」


 イフは、目を丸くしていた。

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