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俺のいた世界の週間連載の少年誌のバトル漫画のようなどす赤黒いオーラをまとったセドリグである。
「アアアアアああああああああ……っ!」
セドリグは、まるでオーラの気合ためのようなうなり声を上げていた。
オーラのばちばちばちっとかひゅんひゅんひゅんなどというSEまで聞こえてきそうだった。
バトルアニメでの尺稼ぎのような気合ためのような様子だ。
そのセドリグを中心として、禍々(まがまが)しい風が竜巻状になって吹き荒れていた。
イフは、小柄な身体でふんばりながら、
「……何て風っ!」
激しい風が、俺とイフの髪や服を大きく揺らしていた。
あまりに激しい風で、イフの白いワンピースがめくれ上がっていた。
イフのワンピースの後ろ側は、大きく風にあおられていた。
白い太ももがちらちらと見えてしまっているほどだ。
しかも、一瞬、ちいさな形の整った桃のようなお尻とか白い下着がちらっと見えたような気もした。
気もしたが、今はとにかくそれどころではない。
イフは、白銀の髪を揺らされながら、額に右手をかざして目を細めながら、
「あの召喚の杖……呪いがかけられているようです!」
と、声を上げた。
はっきりとしたイフの口調である。
「呪い……!」
オウム返しの俺である。





