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(ええいっ……!)
俺は、心中舌打ちした。
緊張感が、雷光のように場に奔った。
「くるのかっ……何かがっ!」
叫んだ俺は、即座にばっとエクスカリパーを両手で構えた。
「ソラ……っ!」
俺の動きに応じるように、イフも、叫びながら魔法瓶を構えた。
そして、
「一流の僕が、三流に負けるはずがないんだああああああああああああああああああああああああああああ……っっ!」
セドリグの叫びが一帯に響き渡った。
しかも、むなしくも寒々(さむざむ)しい響きだった。
ぴゅおおおおっと風がないだ。
「……」「……」「……」
俺とイフとセドリグが黙り込んだ。
唐突なとんでも理論だった。
「一流は、必ず勝つものだああああああああああああああああああああああああああ……っっ!」
セドリグの口から飛び出したのは、とんでも理論だった。
根拠のこの字もなさそうなほどに、思いきりのよすぎる投げっぱなしな理論だ。
格ゲーで言えば、野試合で十戦十敗している相手に公式試合では勝つと豪語しているようなものである。
模擬試験で微妙な成績にもかかわらず志望校に必ず合格すると豪語するようなものである。





