2-38
「いや、ココノエソラだ」
「ココ、ノエソラ……ですか?」
イフは、たどたどしく聞いた。
何ともちぐはぐかつ微妙なコントになってきたようである。
ノエソラ、海外の人の名前だとしても微妙なラインだし、ココという苗字も捜せばないわけではないだろうがあまり馴染みはない。
「ココノエ、ソラ。これが、ファイナルアンサー、これ以降は翻意しないという意思を伴った最終的な回答だ」
と、俺は、けりをつけるべく、きっぱりと言った。
「ココノエ、ソラ……?」
「そう!それが正解」
もはや外国語の会話講座のノリである。
「呼びにくいですね」
イフは、さらりと言った。
(はっきりしているな)
と、俺は、思った。
宿屋の銀月亭のアカリの時は、「呼びにくいよお」と可愛らしく反応されたのが、これも個性ということだろう。
とにかく、アカリの時と同じくだりになりそうだなと思いながら、俺は、
「ファーストネームは名前、ファミリーネームまたはラストネームは姓でいいのかな?イフが名前で、リリーカルナが姓っていうこと」
「そうです」
「じゃあ、九重が名字いわゆる姓で、空が名前だよ」
と、俺が、言った。





