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俺は、心中じつは身を引き締めていることを気取られないように努めながら、
「あんたの言う通り、俺たちは満身創痍だ。だが」
と、言って、
「それは、あんたも同じだろう」
と、続けた。
どんっと景気よく効果音が付くくらいの言いきりである。
俺は、対峙している相手すなわちセドリグを見すえた。
語尾にハテナマークすなわちクエスチョンマークはあえて付けなかった、言いきりの形である。
「……言っている意味がわからないな」
セドリグは、あいかわらず微笑していた。
しかし、その柔らかい笑いには、少し影が見えていた。
「わかってるだろう。あんたも、スタミナ切れってことだ」
と、俺は、突きつめるように言った。
「いや、召喚するための魔力と言ったほうが正確か」
セドリグの目が泳いで、俺たちとセドリグの中間地点に展開しているスライムの隊列をちらっと見ていた。
俺も、セドリグの視線の先に視線を移動しながら、
「今、そこにいる召喚されたスライムの群れは、あんたの残り少ない魔力を絞り出して召喚されたものだ」
「そんなことは……」
セドリグがそう言いかけたところに、俺は、言葉をかぶせるように、
「ハッタリはよせ」





