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「……」
先ほどまでとは違う俺の雰囲気を感じとって、セドリグは、少し身構えたようだった。
賽は投げられたのだ。
ここから先は、ブラフ、ハッタリだ。
(……ままよっ!)
俺は、心中かっと目を見開いた。
自信たっぷりに言わなくて、どうしてブラフを張ることができるだろうか。
堂々と言い張らなくて、どうしてハッタリをかますことができるだろうか。
何れの答えも否、ノーである。
ブラフもハッタリも勢いが、重要なのだ。
とにかく、相手に揺さぶりをかけるべく、俺は、事を進めることにした。
ブランコだって、ぐんぐんと最初の反動をつけるべく揺らさなければ、ぐんぐんと激しく漕ぐことはできたりはしないのだ。
俺のあまりの自信たっぷり感に、セドリグは、意表をつかれたような様子で、
「……何だって?」
と、聞いてきた。
(……つかみは、オーケーだな)
と、俺は、思った。
心中冷や汗をかいている俺である。
しかしまだだ、まだである、ここからが肝要なのだ。
イフは、不安げな瞳で俺とセドリグのやり取りを見ていた。





